脳科学と心理学から語る子育てのホントのところ

子育て全般について、主に脳科学と心理学の観点から、本当に大切なことをメモ代わりに書き綴っていきます。

失敗させなければ子育ては失敗する!

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だんだんと記事のアップが遅くなる、、。

この時期、園行事が立て込んでてなかなか、、。

と、言い訳話は置いといて。

 

本日は、前回の記事でも少し触れた「失敗」について。

 

以前から思うことがありまして。

少し思いの丈をぶつけたくて。

 

だもんで、書きますよ。本日も。

ホントのところを。

 

 

失敗は子どもに良くないという神話 

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「子どもに失敗させない方が良い。」

「乳幼児期の子どもに失敗から学べることはない。」

「失敗させる必要はない。」

 

少し前まで、子育て業界でこういった論調ばかりが目立っていました。

 

専門家の多くも判で押したようにこんな感じ。

 

『失敗は自信を無くさせ、自尊心を傷つける。』

『やる気や意欲を奪う。』

 

というのが理由のようで。

 

最近は、少しずつ流れが変わってきているかな??

と、感じることもありますが。

それでもまだまだ根強いこの論調。

 

これ、どう思いますか?

 

日々子どもと向き合う中で僕が感じるのは、

 

「んなわけないっしょ!」

 

てことです。 

 

そもそも、

「現実的に無理、不可能」 

ということは、子育てにおいては

「正しくない、間違い」

ということです。

 

理由は、もうこのブログを読んでいただいている方ならお分かりかと思います。

EEEの考え方です。

EEEについてはこちらの記事をどうぞ。このブログ全てを貫く要ですので、ぜひ一読していただきたい。

www.musubiyt.com

 

ということで、

「現実的に無理、不可能」だということは、「不自然」だということです。

EEEを考え方に取り入れれば、

「不自然」なことは、「間違い」だということです。

 

子どもが失敗しないようにする

 

なんて、不自然でしょ。どー考えても。

 

あえて言うなら、

子どもから「失敗する」という貴重な経験を取り上げるな!

ってことです。

 

立って歩くのも、お箸を持つのも、竹馬に乗るのも、コマを回すのも、自転車に乗るのも。

失敗せずにできるわけがなし。

 

『失敗からたくさん学んだ。』

 

って、よく言うじゃないですか。

 

それは、大人の話?

 

いやいや、小さい子どものうちこそ失敗したほうがいいですよ。

 

小さいうちの失敗のススメ

理由は3つ。

①小さい子ほど、予想可能でリスクが小さい

②小さな失敗が大きな失敗を防ぐ

③失敗への耐性がつく

 

この3つです。

 

①小さい子ほど、予想可能

子どもの失敗というのは、ある程度予想可能です。

なぜなら、小さい子ほど、失敗できる範囲が小さいからです。

 

モノを作っても、使う道具も作れるものも限られてます。

高いところに上っても、上れる範囲は限られてるし、走っても、スピードは無いし。

モノを壊しても、力はない。

 

たかが知れてます。

 

これが大きくなればなるほど、予想外の範囲が広がり始めます。

なんてったって、子どもの能力が高まり、「できる」が増えますから。

 

もちろん小さくても大きな事故は起こり得ますよ。でも、それはあくまで例外の話です。

 

②小さな失敗が大きな失敗を防ぐ

「できる」範囲が小さいうちに、「失敗をたくさんしておく」ことが、将来大きな失敗を防ぐことにもつながります。

 

たとえば、赤ちゃんの頃からたくさん落ちたり、転んだりした子は、反射的に手が出るようになり、転んでも顔を打つような大きな怪我をしなくて済むようになります。

もちろん、赤ちゃんの時は低ーい段差ですよ。

 

大人の方も、

失敗が予想できるからこそ、

失敗が小さいからこそ、

失敗を黙って見守ることができます。

 

失敗という経験を安心してさせることができます。

 

小さい失敗で済むうちにたくさん積み重ねておけば、それが貴重な経験となり、大きな失敗を予防することにつながります。

 

③失敗への耐性がつく

要は、失敗体験への慣れです。

 

失敗を何度も体験し、乗り越えた経験は自信がつくのはもちろん、失敗自体をネガティブに捉えません。

また、小さい失敗なら、もともとそんなに落ち込むことも無く、ナチュラルに再チャレンジに向かうことができます。

だからこそ、乳幼児の小さいうちから失敗をさせることが大切なのです。

 

実際問題、子どもの失敗は、大人がケアすることで、かなりの程度防ぐことが出来ます。

失敗できる範囲が限られているからです。

 

ですが!

そうして失敗をしないまま大きく成長した結果、どうなるか。

 

成長した後の失敗は、内容や周囲に与える影響も大きくなりがちです。

 

つまり、いきなり大きな失敗を体験するわけです。

そうなると、必然的に、失敗への過剰なネガティブ反応が生じます。

 

悪ければ一度の失敗で挫折。

絶望です。

 

学生時代、ずっとエリートだった人が社会に出て失敗し、挫折、引きこもるのは分かりやすい例です。

 

いやいや、失敗せずに成功体験を積み上げてきた子は、自尊心も高く、やる気と意欲に満ちてるから、一度の失敗なんか気にもしない。。

 

なんて、、

「んなわけないっしょ!」

て、ことです。

 

温室育ちのバラは見た目はキレイでも、逆境に弱いということです。

 

これ、自然の摂理。

 

転ばぬ先の杖な親

 

実際に、失敗は貴重な学習の場。

大人は頭ではそう分かっていながら、行動は全く違うことをしがちです。

 

特に子どものことを大切に思い、熱心な親ほど。

子どものために良かれと思い、やりがちです。

 

それもこれも、専門家という方々の耳障りの良い言葉ばかりが蔓延していることが原因だと僕は思ってます。

 

大事なのは、

失敗から改善策を学ぶこと

失敗してよかったと思えること

 

つまり、失敗体験を貴重な経験として活かすことです。

 

こんな言葉、言い尽くされた感もありますが、子育ての場面では通用しなくなるというこの不思議さ。

 

というわけで突然ですが。

 

子どもに失敗させないようにしてませんか。

 

たとえば・・

子どもが転ばないように常に手を繋いで歩くなど、気をつけすぎてませんか。

 

また、ちょっとでも危険そうな場所に差し掛かると、すぐに

「そこ、滑るから気をつけて!」

「そこ、段があるよ!」

 

なんて、先回りしてませんか。

 

まさに、大人が転ばぬ先の杖になっていませんか。

 

こんな風に先回りばかりだと、

危険な場所で「自分で」足元に気をつけようとする気持ち、

転んだ時に「自力で」起き上がる気持ち

など、なかなか養われません。

 

他にもたとえば、

子どもが使う食器を割れないもの「ばかり」にしている。

食器に限らず、壊れないものばかりを使うことで、「モノは壊れない」を常識にしてませんか。

そんなモノばかりを使いながら、「モノを丁寧に使いましょう。」と教えても、なかなか難しいでしょう。

大人も壊れないという安心感があるから、子どもが手荒に扱っても平気でいがちでしょう。

 

子どもの想像力は限られています。

子どもは実際に壊れて初めて「扱い方によっては壊れるんだ」と学習するのです。

そこでようやく、「優しく使おう」と思ったり、力加減を学ぶのです。

壊れないモノからそれを学習することは困難です。

 

はい、ここでいつもの注意書き。
世知辛い人たち対策です。世知辛なくない人は読み飛ばしてくだしゃんせ。
上の話は、全て割れ物にしましょうって話じゃないですよ。
壊れない便利グッズ。
使えばいいんです!
我が家も使ってます。家ではガラス製品が多いですが、たとえば外出した先で壊れたら大変ですもん。
壊れるモノも積極的に使ってみたらいいんでないかい?という提案ですから。
そこに大切な経験のチャンスがありますよ。という情報提供です。
はぁ、神経使うわ。。今の時代。

 

はい、話を戻しましょ。

 

続けて別の身近な例を。

 

たとえば、積み木遊び。

そこに積んだら崩れる!ってところに子どもが積もうとしている。

そんな時崩れる前に

「こっちにした方がいいよ。」

「そこは崩れるよ。」

とか。

 

これらが失敗をさせないようにしている行動です。

 

先回りの言葉。行動。

転ばぬ先の杖です。

 

もちろん、その時々で状況が違いますから、いま怪我をしたら困るとか、いま壊されたら困るなどあると思います。

そんな時はイイのですが、常に先回りしていると、結果的に子どもが育たないという話です。

 

失敗体験を見守り、経験に変える

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というわけで、常に先回り状態ならば。

今すぐ控えるべきです。

子どものためのホントのところです。

 

たとえば、子どもが間違って、オムツを履く前にズボンを履こうとしている。

 

そんな姿を見つけたら、すかさず

「オムツを先にはかないと。」

なんて、言ってませんか。

 

その言葉をぐっと我慢して、オムツを履かずズボンを履くのを見守り、自分で間違ったことに気づくのを待つ。

 

失敗を温かく見守るのです。

失敗すると分かっていても、指摘しない。

 

自分で気づいた時に褒めてやるのです。

 

「よく気づいたね!えらい。」

「自分でやれるね。」

とかってゆー感じで。

 

失敗から自分で学んだことは、誰かに言われたまま行動したことより強烈に残ります。

 

一見、手間なように感じられると思います。

防げる失敗をわざわざさせるわけですから。

 

ですが、同じ間違いを繰り返しにくくなりますから、長い目で見れば、結果的にラクになります。

 

何度も何度も声をかけなければならないということが減ります。

急がば回れです。

 

そもそも、

失敗は避けるものではありません。

 

子どもに失敗を避けさせるのが大人の務めだと言わんばかりの専門家たちの言葉に惑わされてはなりませぬ。

 

失敗から学べる人間に育てる。

失敗をバネにできる人間に育てる。

 

それが本来のはずです。

失敗のありがたさを教えてやるのが大人の務めだと考えます。

 

大人になって失敗を避けるばかりの人間になっては進歩がありません。

”転ばぬ先の杖”になるのではなく、”転んだ後に起き上がるための杖”になってあげましょう。

 

そうすれば、”転ばぬ先の杖”は、子ども自身が作り上げることでしょう。

 

失敗経験の扱い方

 

失敗=自尊心低下、自信喪失、ストレス

 

みたいな論調。

今もたくさん見かけます。

 

ハッキリ言えば、間違ってます。

  

失敗は注意や叱責とは違います。

いや、注意や叱責も大切ですがね。

 

失敗を最初からネガティブなものとみなす大人の価値観があるからそうなっちゃいます。

 

失敗を褒めましょう。

 

よく失敗した!

これでまた上手になったぞ!

失敗は成功のもと!

 

これで、子ども達は誇らしげにチャレンジします。

失敗しても繰り返し繰り返し。

 

失敗は悪いものと扱うと、失敗した時に自信をなくすだけでなく、失敗を避けるようになります。

失敗を避けるということは、難しいと感じることを避ける。

つまり、チャレンジしなくなるということにつながります。

 

失敗は良くないこと→失敗やだ→失敗を避ける→難しいことを避ける→チャレンジしない→意欲低下

 

当然の帰結です。

 

失敗は悪でなく、善!

 

大人がそう考えないから、子どもも失敗を避けたがるのです。

 

それに、失敗させまいと必死になっても、子どもというのは大小さまざまな失敗をするものです。

 

その時に、

「大人が避けさせようとしている失敗というやつを僕はしてしまったのか、、」

 

と、無意識にも、悪いこと、ネガティブなことをしてしまったと子どもながらに感じるでしょう。

 

だから、

失敗する事で自信をなくしていくのです。

 

「気にするな、失敗はするもんさ。」などと励ますのさえ、僕はマイナスだと思います。

 

だって、失敗という悪いことをしてしまったけど、良いんだよ。

ということですから。

 

失敗は喜べばいいんだ!

 

だって、その(失敗した)方法はダメだってことが分かったんだから!

また一歩前進したってことだ!

 

と言えばいい。

 

やってはいけない失敗。

たとえば、自分や相手を傷つけるようなことをした時は、注意や叱責をすれば良いんです。

こんな時に褒めてしまうと、当然問題です。

 

でも、それ以外の失敗は、大抵問題なし。

どころか、前進の証、成長の証です。

 

自分の能力を超えたことにチャレンジしたからこそ、失敗するわけです。

まずはその意欲を褒め、そして、失敗したこと自体も成長の証と褒めてやるべきです。

 

その積み重ねが高い好奇心と意欲につながり、チャレンジ精神やハングリー精神につながっていくわけです。

 

最近の若者には流行らないかもしれませんが、諦めない、ネバーギブアップの精神です。

 

大人も堂々と失敗を見せる

最後にもう一つだけ。

 

失敗を褒めるだけではまだ足りなくて。

 

周りの人が失敗しているのを見ないと。

自分だけ失敗してたのでは、やはり「失敗=良くないこと」になってしまいます。

 

そして、子どもにとって一番身近な周りの人といえば、、

当然親や、先生になるわけです。

 

「失敗、失敗。てへへ」

「失敗は成功のもとだもんねー!」

 

なんて感じで。

「大人も失敗するんだよ。」

と、平然と見せてやりながら、失敗のまま終わらせない姿勢も見せる。

 

「はい、次、次!」

「さ、もっかい、もっかい!」

 

なんてな感じで。

 

意外と大人の失敗って、見せてないもんなんですよね。

 

失敗は、良いこと!

なんだから、堂々と失敗し、ラッキー!

くらいに言ってしまいませう!

 

というわけなお話でした。

 

本日も最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。
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