久しぶりのブログ。
書きたいことは山ほどあるけど、いざ書くとなると・・。
難しいもんですね。
パッパッと書けたら良いのですが・・。なかなかの遅筆です。
でもどこよりも質高く!
有料ブログより優良な子育て情報を!
をモットーに。
さて!
子育てに正解はない!
って、よく聞きますよね。
その割には、この方法が正しいとか、その方法はダメだとか。
その言葉は良いとか悪いとか。
これまたよく見る話。
正解は無いハズなのに、なぜ良い悪いがあるのか。
ってな感じ。
しません?
僕はずっと疑問に感じてました。
一応子ども達と毎日向き合う仕事をしとりますので、その疑問はずーっと頭にこびりついてました。
そして、いろんな情報を得る中で、これが子育ての正解じゃないか!
と、思ったわけです。
実は、このブログの大きなテーマは、
「子育てに正解は無い」
この言葉に挑戦しようというものでもあります。
本当にそう?
と、疑問を投げかけようかと。
子育てに正解はない!
なんて言ってるから、世の中のお母さんは戸惑うのではないか。
いやいや、プロと呼ばれる保育士や教師だって間違います。
なので、
正解はあります!
と、断言したい。
こうした時点で、逆に言えば、間違いもある!ということも言えます。
また、分からないことも残念ながらあります。
おそらく、本来の「子育てに正解はない」という意味には、「正解はない」から、他の人の言うことや、様々飛び交う子育て理論に踊らされることなく、自信を持って自分が正しいと思うことをやってください。
という趣旨が含まれているんだと思います。
しかし、”言葉”が先行してしまうのは世の常。
「正解はない」=何が正解で何が間違いか分からない
となってしまうのもよくあることです。
それもそのはず。
現実、核家族化の子育て世代のお母さんが人類の進化史上類を見ないワンオペ育児というものを強いられる中、子育て方法を学ぶのは、ほとんどがネットと言っても過言ではないからです。
相談相手は、良くも悪くもネットです。
病気になってもネットで調べます。
我が家も病気かな?と思ったらすぐ検索です。
地域の相談員や、子育て経験者とのお話の機会があれば良い方。
でも、その方々は毎日我が子を見ているわけではありません。
プロとはいえ、当然ながら一般論か、自分の経験談に終始せざるを得ないでしょう。
それでも有益なのは間違いないのですが、一般論では解決しないことも多いのであります。
我が子は世界に一人きり!
これも子育てに正解は無いと言われる所以です。
もう一つ裏の話をすれば、子育てに正解はないというのは、専門家の逃げ口上ともとれるわけで、、。
責任負わない感じ。
おっと、また毒が、、。
でも、正解はありますよ。
しかも、万人に共通の正解があります。
それは後述します。
が、
正解を知らない場合、氾濫する子育て情報に踊らされ、挙句、悪ければ我が子を前に精も近も尽き果てる・・。
そんな悲しいことが現実にたくさん起こっています。
と、いうわけで。
これから子育ての正解を探す旅に出かけるわけですが。
子育ての正解を発見するためのキーが2つあります。
1つは、
「刷り込み」という現象
もう1つは、
「人類の進化の過程」
この2つが揃えば、子育ての正解が見えてきます。
は?
なにそれ?
って感じでしょうか。
この2つは、子育ての正解を示す為のカギというか、ほぼ正解の話そのものです。
これホント。
では、早速。
刷り込みという現象から考える
まずは「刷り込み」という現象から、子育ての正解の材料を手に入れたいと思います。
「刷り込み」という言葉は聞いたことがある方も多いかもしれません。
(すりこみ、imprinting)とは、動物の生活史のある時期に、特定の物事がごく短時間で覚え込まれ、それが長時間持続する学習現象の一種。刻印づけ、あるいは英語読みそのままインプリンティングとも呼ばれる。
ウィキペディア「刷り込み」
ちょっと何言ってるか分かんない状態ですが・・・。
有名なのは、この現象を世に広めたローレンツ氏が行ったハイイロガンという鳥の実験。
生まれたばかりのヒナが、ローレンツ氏を見て、親だと思い込み、大人として自立するまでずーっとその思い込みが続いたというやつ。
鳥のヒナが、初めて見たモノを親だと思い込む現象です。
鳥に限った話ではないので、それを正確に表現しようとすると、ウィキペディアのように難解な文章になります・・。
さて、この話には、実は大切な続きがあります。
生まれたヒナが、初めて目にするモノの条件を色々と変えて実験されました。
すると、刷り込みが起こらないケースがあったのです。
たとえば、
ヒナが初めて目にするモノの、
動きが速すぎたり、遅すぎる場合
また、
大きさが大きすぎたり、小さすぎたりする場合。
これらの場合は、刷り込みが起こらなかったのです。
なんでも良いというわけじゃなかったのです。
一定の条件が必要でした。
ココが子育ての正解にたどり着く大きなポイントです!
これは何を意味するのでしょうか。
「刷り込み」というのは、言ってしまえば、一発学習です。
そりゃもう、強力な学習です。
一度見たら、一生忘れないわけですから。
これは、明らかに、ヒナの生存にかかわる学習と言えるでしょう。
重要だから一発で学習が起こるのです。
少しでも確実に生き残る為に、一発学習という能力、つまり「刷り込み」を進化の過程で獲得したわけです。
つまり、ハイイロガンは、
「生まれたらすぐに、親鳥くらいの大きさと移動速度のモノが必ず目の前にいるから、それについて行けば生き残れる」
ということを脳内にプログラムして生まれてくることを獲得してきた
ということです。
言葉を変えると、
生まれる前から、親鳥が目の前にいると言う環境を想定して生まれてくる
ということになります。
鳥だけではございませんよ。
その他様々な鳥、哺乳類などの動物も、我々ヒトも同様です。
ヒトは、鳥ほど劇的な一発学習は起きませんが、ある程度の環境を予測して生まれてくることは間違いありません。
赤ちゃんが産まれながらにお母さんの声を聞き分けるのも、目と目が合うとニッコリ笑うのも、抱っこされると安心するのも、音声言語を勝手にどんどん獲得するのも。
全て想定内の、予想通りのことだからです。
それらは、生存のための最低限の脳内プログラミングと言えます。
つまり、人間が適切に成長を遂げるためには、このあらかじめ想定された環境を整えておくことがまず大前提となります。
テレビなどでもおなじみの脳科学者である澤口俊之氏は、この環境のことをEEE(進化的に予想された環境)として著書で紹介しています。
もっと言えば、EEEは、「当然あるべき環境」とも言えると僕は考えます。
たとえば、「音声言語」。
音声言語は長くて約200万年、短くても40万年の歴史があるとされているようです。
これだけ長い期間必要とされた能力ですから、進化的な歴史を持っていると言えます。
つまり、乳幼児期に音声言語に囲まれるというのは、EEEというわけです。
進化的に予想された環境、すなわちEEEですので、誰に教わるでもなく会話はできるようになります。
国語で学ぶ細かい文法は教わる必要があるので、EEEではないかもしれません。
どこからどこまでがEEEなのかは厳密には分かっていません。
が、EEEだけで身につけることができない能力については、教育の出番となるわけです。
この辺については後述します。
このようにEEEについて考えると、赤ちゃんにとって、特別な環境は必要ないことが分かります。
ごく当たり前の環境があればいいのです。
ですので、特に何かを買いそろえる必要も無ければ、習い事も必要ないということになります。
子育てにお金はほとんどかからないはずなのです。
本来は。
だって、EEEは、何万年も前から当たり前にあるべき環境なのですから。
まぁ、こういったことは、子育て関係を商売にしてる企業にとっては不都合な真実ですので、、。
あんまり言うと嫌われてしまうわけでございますよ。
たとえば、赤ちゃんに靴下をはかせた方が良いの?
という疑問が出た時に、EEEさえ知っていれば答えはすぐに出ます。
「必要無い」
と。
何百万年も靴下を履いているわけがないからです。
靴下はEEEではないのです。
靴下を履くことにより、赤ちゃんは色々と損をすると僕は考えてます。
素肌の接触は減るし、指の動きは制限されます。
せっかく様々な感触を得るために神経が張り巡らされてる足の裏を、覆い隠すワケですから。
幼児の靴も考えものです。
底の厚いものや、クッション性の優れたものなどは幼児期に履く必要ありません。
靴を履くなとは言いませんが、靴底は薄い方が良いのです。地面の感触を足裏で確かめられる靴こそ、優れた靴です。
冗談抜きで、草履が最高です。
話は変わって。
ある時、こんな話を聞きました。
子育てママの話です。
紫外線が良くないと聞いたんで、日中もカーテンも閉めてます。
外に出るときは、日よけクリームを全身に塗ります。
いま、このようなご家族が増えているようです。特に都市部で。
もちろん、お子様のことを思い、全てはお子様に良かれと思ってのことです。
結果、関東では、子どもの「くる病」が増えています。
これは数年前から指摘されていますが、いまだに増えているようです。
ニュースにもなりました。
紫外線に当たらないと、ビタミンDが合成できず、くる病になるのです。
これも、EEEを想像すればすぐに正しい答えは出るはずです。
昔は当然日よけクリームはありません。
一日中洞窟から出ないなんてことは、緊急時以外無かったでしょう。
食べ物は外にありますから。
そうして何百万年も過ごしてきたわけです。
ということは、日にあたることは当然EEEです。
紫外線に当たることだって、当然予想されて生まれているわけでございます。
それが無くなるのは、異常なことなので、当然病気になるということです。
大人だって一緒です。
たとえば時差ぼけ。
これも日光が関係しています。
日が当たる時間が変則的になるせいでおこるのです。
EEEを失うというのはそれくらい大きな影響を与えるということです。
もちろん日光の当たり過ぎもよくありません。
たとえば、プールや海水浴に行くなんてことは、EEEではありませんから。
強い日差しを長時間当たることは良くないので、紫外線対策も必要でしょう。
何事もやり過ぎは良くありません。
もっと極端な話をすれば、私たちは水中で生まれることは予測してません。
そんな環境に置かれればすぐに死んでしまいます。
EEEとかけ離れた環境ですから。
さて、こうしてみると、はるか昔から行われてきた自然なことがEEEになる可能性が高いうことです。
そして、特に2歳までは、EEEを整えることがすべてと言っても過言ではありません。
出産、母乳、はたまたおもちゃ選びや遊び方、衣服選びまで、・・・色々と見えてくるものがあるんじゃないでしょうか。
このブログでしつこく言ってきた子育ての極意について考えてみてください。
「話しかける」「目と目を合わせる」「ほほえむ」「ほめる」「さわる」
すべてEEEだということは容易に想像できます。
たとえば、肌と肌の接触について考えてみてください。
はるか昔は裸同然で、肌と肌の接触が当たり前だったことは想像に難くありません。
人類の進化の過程を振り返る
さて、EEE(当然あるべき環境)が子育てにおいて大切だということは分かっていただけたと思います。
ここでもう一つのキーを手に入れたいと思います。
それは人類の進化を考えることです。
人類の最初の直接的な祖先については諸説ありますが、短くとも400万年前~200万年前に遡ると最新の科学研究では報告されています。
我々の頭の中にある脳は、それくら長い期間かけて、たどり着いた結晶です。
400万年かけて少しずつ少しずつ進化してきました。
それは、我々にとっての「EEE」もまた、少しずつ少しずつ脳にプログラムされてきたということを意味します。
ですが、この100年の間に私たちを取り巻く環境は、激変してしまいました。
100年というと、長いように感じるかもしれませんが、脳の進化の過程では、ごく一瞬の非常に短い時間です。
400万年を24時間とすると、2000年間ですら、たった30秒のできごと。
直線で表すと、見えない程の短い距離。
さらに、100年間は、1.5秒間。
もっと短い距離になります。とても図で表せません。
この100年という短いスパンで、日本の環境は激変しました。
たとえば食べ物。
和食から洋食へ。
粒食から粉食へ。
他にも、たとえば卵は無精卵になり、野菜はF1種に(詳細はお調べください)。
あらゆる食べ物に化学物質が添加され、異物だらけです。
また、生活スタイルも変わりました。
核家族化、欧米化、機械化。
ここでは一つずつについて細かく解説しませんが、過去記事を読んでいただければ、分かっていただけると思います。
人と人との距離は離れ、画面を通してのコミュニケーションに囲まれています。
こんな環境を脳は想定していたはずもなく。
ここではもう多くは語りませんが、結果、さまざまな影響が実際に出ています。
これだけ環境が激変しているのです。
ものすごく早いスピードで。
この環境の激変を体感していただくために、もう一つ例を。
つい、100年前まで。
日本人にとって飢餓は一般的でした。
満足に食べられない日があるのが当たり前でした。
これは人類の大半にとっても同様です。
つい100年前は、現在のような飽食の時代とはかけ離れた生活でした。
もちろん今も飢餓で苦しむ人は多くいます。
さて、ここで問いが生まれます。
脳にとって自然な環境とは飢餓の時代か、飽食の時代かどちらでしょう。
脳にとってだけでなく、人間の身体にとって。
どちらが「予想された環境」なのでしょうか。
答えは、399万9900年続いた飢餓の時代です。
人間の脳や身体は、飽食を想定してできていません。
だから、肥満になり、病気になるのです。
先進国では、どこでも健康問題が深刻化しています。
後進国には無い健康問題です。
もちろん、飢餓が続けば栄養失調になり、やがて死にます。
ですが、かなりの粗食でも十分健康を維持できます。
いや、むしろ粗食の方が健康なのです。
人間は、飽食に弱いのです。
だって、想定外だから。脳や身体にとって。
肥満になれば様々な病気のリスクがあがってしまうのは、「予想された環境」ではないからです。
もっと過激に言いましょう。
1日3食なんてのは怪しい言説です。
神話と同じレベルです。
人類が進化の過程で、ずーっと3食毎日食べてきたはずがないじゃないですか。
1食の量にもよりますが、3食普通に食べていたら、ハッキリ言って食べ過ぎです。
現に、とても多くの方が健康で悩んでます。
1番に見直すべきは食事です。
だって、僕たちの内臓、髪の毛、爪の先、全部食べたものでできてるんですから。
一般に流布されてる情報を盲信するより、EEEを想像して、自分で考えた方が絶対に正解に近づけます。
子どもたちの食事についてもいつか書きたいですが、今の話だけでもかなりのことが見えてくると思います。
話が逸れました。
怖いもの知らずなブログになりつつあります。
そのうち宗教家とか言われてしまいそうですので、この辺で話を戻します。
とにかく、
100年という短い期間に起こった急激な変化に脳や身体は追いついていません。
このことを我々現代人は自覚するべきなのです。
特に先進国の人間は。
何が言いたいかといいますと。
今ある日本の環境は、「EEE」ではないことが多くある。
ということです。
脳にとっては異常な世界が広がっていると言わざるを得ないのです。
というわけで、赤ちゃんにとって適切な環境とは何かを考える時、はるか昔の類人猿たちの生活に思いを馳せることがヒントになるのであります。
子育てで迷った時に、進化の過程を頭によぎらせてみてほしいのです。
子育ての正解から考えてみる
以上の通り、子育ての正解とはつまりそーゆーことです。
進化の過程を踏まえた、EEE(あらかじめ予想された環境)を用意する
これが子育ての正解です。
こうなると、本来は、
「当たり前な環境があれば良い。」
「特別なことは必要ない。」
ということになるのですが、現代の日本社会ではそうもいかないのは先述の通りです。
進化の過程を思い浮かべてみてください。
いろんなことが見えてくるはずです。
ワンオペ育児が異常な事態だと何度も言っているのも納得してもらえるのではないでしょうか。
昔は大家族が当たり前ですし、他人も我が子のように面倒を見ていたようです。
我が子でない赤ちゃんにおっぱいを与えることも普通だったようです。
アフリカなどでは今も続いてますし、日本でもつい戦前まではよく見られた風景です。
たとえば、衣服ならどうでしょう。
赤ちゃんに靴下、靴、帽子、ミトンやおしゃぶり。
これらはどうでしょうか。
おしゃぶりは服ではないですが・・。
必要なのでしょうか。
EEEなのでしょうか。
寒がるから、、という方も多いと思いますが、犬に服を着せるようなもんです。
ほとんどファッション的な意味しかないということです。
発達という側面から見るとまったく機能的ではありません。
赤ちゃんの肌はセンサーのようなものと考え、なるべく露出させた方が良いのです。
子育ての便利グッズについて考えてみましょう。
他の過去記事でも触れましたが、ベビーサークルやベビーカー、ベビーベッド・・。
はたしてEEEでしょうか。
べったり育児ができないこれらの道具がEEEだとは到底思えません。
はたまた、スイッチ1つでなんでもできる時代。
プロセスは飛ばし、結果のみ体験。
木の実が実るのを待ったり、魚をさばくのを待ったり、収穫を待ったり、、待たされるという体験もない。
戸外での遊びは減り、室内中心の生活。
歩く距離さえ減り、ショッピングに行っても乳児だけでなく、一人で歩ける幼児がベビーカーに乗っている始末。
自分の身体はほとんど使わない。身体を使わないということは、脳も使わない。
これらはEEEでしょうか。
というように、EEEという正解を知っていれば、過去の日本や欧米がしてきた間違いは、避けられたはずです。
正しい道が見えてきます。
子育てで何をすべきかという大きな指針になってくれます。
僕たちを取り巻く環境は、いまなおスピードを加速させ、どんどん変わっていっています。
先に述べた「乳幼児期に音声言語に囲まれる」という、本来当選あるべき環境でさえ、今は困難です。
なぜなら、核家族化で、家ではお母さんと子どもの二人きり。
いくら頑張って話しかけても限界があります。
おそらく、三世代家族と比べると圧倒的に囲まれる音声言語の量は少ないはずです。
兄弟がいなければなお少ない。
この結果、はっきり実感として感じるのは子どもたちの全体的な傾向として、言葉の遅れが目立って来ているということです。
保育園や幼稚園に入園して言葉が出るようになるケースは非常に多いのです。
それは、家庭で音声言語に囲まれず、集団生活の場で初めて囲まれるからです。
現代の家庭環境がEEEとして機能していないことを示していると感じています。
さて、こんな感じで脳は、今の激変する環境のスピードについていけません。
現代の日本という環境は、必ずしも「EEE」ではなくなっているのです。
だこらこそ、今こそ、
進化の過程を踏まえた、EEE(あらかじめ予想された環境)
を想像してみてほしいと思います。
EEEの影響力
ここで、1つ実験を紹介します。
ラットを3つの条件に分けて飼育するという有名な実験です。
- 1.豊かな環境
- 広いケージに10匹程を入れ、輪回しや階段などの遊び道具を入れる
- 2.普通の環境
- 普通の大きさのケージに2.3匹を入れて、遊び道具は入れない
- 3.貧しい環境
- 狭いケージで1匹のみで飼いました。遊び道具は無し。
さて、これで約3カ月飼育した結果。
なんと、脳に大きな違いが出たのであります。
脳の重量で比較すると、
豊かな環境の方が普通の環境よりも平均5%重くなったのです。
これは、人の進化でいうと50万年かかることと等しいのです!
環境の影響力はこれほどのものなのです!
また、貧しい環境のラットの脳は、普通の環境の脳よりも平均2%軽くなりました。
両者の環境の違いは、仲間を少し入れるか入れないかの違いしか無いのですが、ここまで大きな影響を与えます。
集団の大切さはヒトも同じです。
環境って恐ろしいでしょ。
澤口氏は、豊かな環境は、本来のラットたちの生育環境に近いことを指摘しています。
つまり、1.の環境はラットにとってのEEEにより近い環境であるということです。
環境と言っても、
EEEがあるのと無いのとではこれだけ大きな違いがあるのです。
さて、現代の日本の環境はどうでしょ?
子どもたちを取り巻く環境に、同年代はもちろん、異年齢の「群れ」はありますでしょうか。
あればそれは非常に稀有で貴重な環境です。
今の日本では得難い環境です。
2歳を過ぎたらなるべく「群れ」が作れる環境におくのが好ましいと言えます。
今は地域にそれを求めるのは無理があるでしょう。
幼稚園や地域のの子育て支援や、保育園などの集団生活の場を活用せざるを得ないでしょう。
教育の必要性
世界中の環境が、ものすごい速さで変化しています。
赤ちゃんの頃にはEEEを用意することが大切ですが、それだけではもはや間に合いません。
環境が激変したこの日本で生きていくには、EEEでは獲得できないことを学習する必要性も高まっている。
ということになります。
そこで、教育の出番となるのです!
たとえば、文字言語です。
文字言語は、おそらくEEEではないだろうと澤口氏も指摘しています。
文字言語の歴史は6000年ほど。
24時間のうちの90秒。
たかだか6000年の歴史しかないために脳はそれに合わせた進化をまだ行えていない。
と、推測できるのです。
EEEではないけど、身につけなければならない。
そんな分野には、教育が必要になるわけです。
読み、書き、そろばん。
戦前から、ご先祖様はきちんと理にかなった教育をしていました。
どれも、EEEではないので、教育が必要な分野です。
教育には、それを行うツールが必要になります。
テキストや、ノートに筆記用具、その他にも、体験学習やモノづくり。
それらには、時間やお金など、ある程度コストをかける必要があるでしょう。
自然に身につくものではないからです。
でも、2歳までは基本的に教育よりEEEです。
つまり、本来あるべき環境を整えてあげること。
これが、子育ての揺るぎない正解となるわけです。
今日から類人猿の生活に想いを馳せてみてはいかがでしょう。
本日も最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。
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