脳科学と心理学から語る子育てのホントのところ

子育て全般について、主に脳科学と心理学の観点から、本当に大切なことをメモ代わりに書き綴っていきます。

子育ての極意「褒める」期待編

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世の中に平和が訪れますよーに。

平和には愛が必要でございます。

愛とは、下の5つです。

 

1.目と目を合わせる、見つめ合う

2.微笑む、笑顔を見せる

3.話しかける

4.褒める

5.触る、ふれる

 

前回の記事で、「褒める」を極意にする為に、バリエーションを豊富にしませう!

と、書き綴りました。

 

本日も、バリエーションを増やすヒントとなる要素をもう少しだけご紹介させてください。

 

ご紹介するのは、

「期待して」褒める

というか、より正確にいうなら、

「期待を伝えるように」褒める

という感じです。

 

期待を伝えるように褒める

 

どういうこと?

と、思われるかもしれませんので、とにもかくにも、百聞は一見に如かず。

例のごとく、具体例から。

 

「〇〇してくれたら嬉しいなぁ」

とか、

「〇〇君ならきっとできると思うなぁ」

とか、

「もう少しでできそうだね。」

「きっと〇〇になれるね」

と、こんな感じです。

 

心から期待を込めて。

決して皮肉にならないように、、笑。

 

「褒める」とは、ちょっと違うように感じるかもしれませんが。

そこは、ニュアンスで“あなたを褒めてるんだよ”ということを伝えるのであります。

あくまでも、「褒める」バリエーションの一つとして。

 

これ、男の子は特に効き目アリです。

男の子だけでなく、男性は大人になっても基本コレです・・笑。

 

教師期待効果(ピグマリオン効果)

 

結論から書いたので、ここからは解説というか、裏付けというか。

そんなお話。

 

この期待をかけるということ。

とっても大切な心理作用があるとされてます。

 

専門的には「教師期待効果」とか、「ピグマリオン効果」とか言われるものです。

実は、心理学や教育学の分野ではかなり有名な心理作用で、教科書にも載っているものです。

ですので、名前を聞いたことのある人や、すでにご存知の方もいらっしゃるかも。

 

とりあえず、ごくごく簡単に説明すると、要は、

「人は期待されると期待に応えようとする」

あえてもっと強く表現すれば、

「人は期待した通りになる」

ということです。

 

こんな実験がございます。

この効果の発見者、ローゼンタールというアメリカの心理学者が行ったその筋ではかなり有名な実験です。

 

実験される人(被験者)は、とある小学校の、とあるクラスの生徒達と、担任の先生です。

実験をする人(実験者)が、担任の先生に言います。

「今から生徒達に、今後数ヶ月の間に成績が伸びる生徒を判別するテストをします」

 

これ、実はウソ。

 

本当は普通の知能検査です。

ともかく、そのテストをクラス全員にさせます。

テスト後。

実験者は、名簿を見せながら、担任の先生に言います。

「この名簿にある生徒達が、今後数ヶ月間で成績が伸びると分かりました」

 

これもウソ。

 

本当は、ランダムに抽出しただけの名簿です。

でも、数ヶ月後、、。

名簿に記された生徒達は本当に成績が上がった。

という実験です。

 

先生が、成績が上がると知った(期待した)だけで、本当に成績があがったのであります!!

 

さて、なぜそんなことになったのでしょう。

 

ローゼンタールは考えました。

 

成績が上がると知らされた、ある種特別な生徒達に向けて、先生は無意識にも、温かい社会情動的関わりになったり、教える時間が増えたりしたことが原因だろうと。

 

実験については、今ではコンプライアンス上、問題アリとされそうな気もしますが・・

それはさておき、この効果については、今現在も疑問を投げかける専門家もいて、議論され続けているのでありますが、おおむね確かだろうという見解のようです。

 

まぁ、難しく考えなくても、期待されたら嬉しいし、それに応えようとする心の動きが出てくるのは、普通に共感できますよね。

 

というわけで、

 

「期待する」

 

これだけで、相手の姿が変わってくるということです。

ある意味恐ろしい心理作用ですが、使い方によっては非常に有用なことは明らか。

今では教育現場のみならず、企業、スポーツ界などなど、幅広く活用されています。

なので、子育ての現場でも活用していただきたいっ!

 

「〇〇になれそうだなぁ。」

と、ぼそっと呟くように褒めたり、

「△△までできそうだよっ!」

と、励ますように褒めたり、

「̻̻◇◇までしてくれたら、本当に嬉しい!」

と、おねだりしちゃったり。。

 

まぁ、こんな感じで、いろんなパターンが考えられるかと。

 

身近にひそむピグマリオン効果

 

ちなみに・・・

皆さんも、知らず知らずこの効果の対象になっていますよ。

身近な例でいえば、よくトイレで見かけるあのメッセージ。

f:id:yuji0605_koi:20180827162327j:plain

 

「いつもきれいに使っていただき、ありがとうございます。」

 

これ、まさにピグマリオン効果をねらったものデス。

 

「きれいに使ってください。」

 

と、命令、指示調でない点がミソです。

メッセージの読み手は、自分がきれいに使うことを期待されていると感じますよね。

たいてい、この期待に応えようとする心理が働きます。

ほとんど無意識のうちに。

(ところで、これ。女子トイレにもあるのでしょうか。無かったらごめんなさい。)

 

試しに家の中で、家族に片付けてほしいところがあれば、同じように貼ってみるというのはどうでしょ。

玄関に、お風呂に、洗面台に・・・

「いつもきれいに使ってくれて、ありがとう。」

なんて感じで・・

 

うーん・・・

これは、日頃の関係性にもよるのだろうか。

我が家でやられたら、まさに恐怖でしかない・・・汗

 

やめときましょ。やめときましょ。

 

話を変えて。。

 

察しの良い方はお気づきかもしれませんが、期待に応える作用もあれば、逆もまた然り。

失望すれば、相手はその通りの姿に落ち込んでしまう。

ということも分かっています。

 

これをゴーレム効果と言います。

 

これも正直おそろしい心理作用ですね・・。

気を付けねばならん・・。自戒の念もこめて・・。

 

適度な期待

 

最後に、

期待をかけるといっても、何でも良いというわけではありません。

過剰な期待は逆効果にもなっちゃいます。

 

では、過剰な期待って?どこから??

なかなか判断は難しいところですよね。

個々の状態によって違うわけなので。

答えになっていないと言われそうですが、

「過剰な期待=本人が乗り越えられないレベルの期待」

ということになります。

これを見極めるのは、大人側の仕事になります。

特に幼少期は。

見極めるためには結局、普段からしっかりと相手の姿を見ていないといけないということになります。

 

ちなみに、

「少し難しいレベル」

「頑張ればなんとか達成できるレベル」

に取り組む時に脳の前頭葉が最も活性化されることが分かっています。

さらに、達成すればもっともっと・・!

というわけで、少してこずるくらいのレベルが最適です。

 

この微妙なレベルを用意するのが我々の仕事ということになりそうです。

 

ちなみに、前頭葉は、脳の中の司令塔的役割を担っておりますので、かなり重要な、しっかり伸ばしていく必要のある部分です。

2歳以降は、あの手この手で使っていきたい部分です。

 

まとめ

 

いろんな効果がありますが、とどのつまりは、

意識するかしないかは関係無く、関わる側のいろんな姿勢や態度が、知らず知らずのうちに相手に影響を与えるという話なのでしょう。

 

こわいデス・・。

 

子育てや教育には「環境」が大切。

と、よく言いますが、最大の環境が保護者や教師なわけで・・

最も大きな「環境」として、プラスの影響を与えられるよう頑張らねばっ!と、気を引き締めるのであります。

本日も最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。
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