脳科学と心理学から語る子育てのホントのところ

子育て全般について、主に脳科学と心理学の観点から、本当に大切なことをメモ代わりに書き綴っていきます。

薄着のススメ。子どもを健康に育てる為のホントのところ 前編

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さて、一気に寒くなりました。

 

家の中にいても足元から冷える感じ。

もうほとんどの方は、衣替え、こたつにストーブと、冬に備えていることでしょう。

 

この季節になると、どーしても気になるのが、子どもの服装。

 

全体的な子どもの厚着傾向です。

 

モコモコのあったかそーな服。

何枚も重ね着。

あったかそーな帽子に手袋に靴下に靴。

最近は赤ちゃんも靴下を履くのが当たり前の光景になりました。

 

うーん、気になる、、。

 

 

何にでもメリットとデメリットの両面があります。

要は両者のバランス次第。

メリットの方が大きいなら良い。

デメリットの方が大きいなら要注意。

単純明快。

ということで、今回記事にするのは子どもの服装のホントのところ。

特に厚着に関して。

もちろんメリットもあります。

が、デメリットがはるかに大きいだろうと思っています。

 

厚着は子どもの発達にマイナスの面が多いと思うのです。

まずは、いくつか挙げてみます。

 

厚着は健康を損なう

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厚着が子どもの健康を損なう。

そう聞いて、「え?」と、思う方もいらっしゃることでしょう。

 

だって、厚着ってそもそも子どもの健康を気遣ってやってることだから。

 

寒くないように、風邪ひかないようにって。

 

ちなみに我が家は薄着を心がけています。

特に靴下や手袋は雪遊びでもない限り、身につけず(まだしたことないけど…)。

 

ただ、1つ問題なのは、裸足で靴を履くとかなりにほひが、、。

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↑こないだもこんな格好でお散歩。

おかげで、いろんなところで

「靴下履いてないよ」

「あの子、寒そー」

と、驚かれたり、後ろ指さされたり、時には直接声をかけていただいたり。

おまけに背中にいた10ヶ月の次男も靴下無し。

「見て、赤ちゃんも靴下はいてない!」

と、半ばお怒りの声も聞こえたりして。

 

現在の日本では、

冬場の薄着は、下手すると虐待感覚。

厚着は愛情たっぷり。

 

こんな見られ方ですヨ。

 

もちろん、我が家は愛情たっぷり!のつもりですよ。

いやいや、間違いなくたっぷりでございます。

 

釈明しといて。。

 

真面目な話、特に靴下や手袋は、子どもにとって要注意だと思うのです。

要注意というのは、本当に必要なのかよく考えるべきだという意味です。

 

なぜなら、

大切な体温調節機能を損なう可能性があるからです。

 

この理由を説明するために少し長くなりますが、寄り道を。

人間の持つ「適応力」の話です。

 

人間(動物)の適応力の正体

人間の身体は、基本的に「めんどくさがり」です。

もちろん、脳もです。

 

不必要なことはしません。

バッサリ切り捨てます。

 

なぜなら、その方が生存競争に有利だからです。

 

不必要なことをしていては、エネルギー効率も悪いし、生存に必要な能力を伸ばせなくなるかもしれない。

 

生存が最優先ですから、それに必要ない力は削ぎ落としてトーゼンなのです。

 

生物の目指す方向は、基本的に省エネです。

いかに消費エネルギーを小さく生きるか。

 

なので、不必要なことをしません。

 

環境に合わせて、不必要なものは切り捨て、必要な部分を残し、身体(体質など)をより適応的に変えていく。

 

これを、人生かけて行うのであります。

 

それが「適応」です。

 

そして、これを支える代表が、実は「脳」です。

 

ここで、寄り道の寄り道。

 

脳はなぜあるのか。

 

少しだけ考えて頂きたいと思います。

 

考えるため?

 

生きるため??

 

バカの壁の著者である養老孟司氏は、こう指摘しています。

 

「脳は変わる為にある」

 

「変わる」というのは、「適応するために変化する」という意味です。

 

遺伝子は「頑固」。

なかなか変わらない。

そこで、柔軟な脳の出番となる。

 

脳はとても柔軟で、環境に応じて常に変化し、身体を自分の周りの環境に適応させるのです。

 

それは、生まれた瞬間から死ぬまで続けられています。

 

たとえば、どこの国の赤ちゃんも生まれた時は「L」と「R」の発音の違いを聞き分けることができます。

が、日本語圏ではその違いを聞き分ける必要がありません。

結果、1歳を過ぎた頃には、聞き分けられなくなります。

 

必要ないから切り捨ててしまうのです。

 

そもそも、脳の出発点からそうです。

 

脳内の神経細胞は、生後すぐに大量生産が始まります。

そして、生後一年以内にピークに達します。

実に、一秒間に10万個作られると言われています。

この神経細胞。

実はその後、減少の一途を辿るのであります。

大人になる頃には、約半分になります。

 

何が起こっているかというと…

 

神経細胞の「間引き」、「刈り込み」が行われるのです。

 

最初にたくさんの神経細胞を準備しておく。

そして、環境に合わせて必要な細胞を残し、必要ない細胞を刈り込む。

これが、脳が生存のためにとっている戦略です。

 

ムダは排除。

必要な部分を特化。

 

これが「適応」の正体です。

 

そして、寄り道終了です。

 

何が言いたいかと言うと。

人間の寒さへの適応力についてでした。

 

寒さへの適応

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人間は当然、暑さ、寒さにも適応します。

 

寒い地域に暮らしていると、次第に寒さに慣れます。

それにはホルモンが大きな役割を果たします。

中でも甲状腺ホルモンが重要です。

このホルモンは基礎代謝を上げて発熱量を増大させます。

寒い地域に暮らすと、この甲状腺ホルモンがよく分泌されるようになります。

また、汗腺の数さえも変わります。

汗腺は少なくなり、汗をかきにくくなります。

汗をかかなければ放熱が少なく済み、体内に熱を溜めやすくなります。

これらが、寒さへの適応です。

 

このように、人間の身体は非常に柔軟にできているのです。

 

「身体は環境に適応する」

 

これは、非常によくできたシステムですが、一方で適応するが故に、困った事態も起こり得ます。

 

いつも手袋または靴下を身につけている。

いつも服を着込んでいる。

 

その温かい状態が当たり前になると、当然身体は、その状態に適応します。

発達途中の柔軟な子どもの身体ですから。

その影響は大人より格段に顕著です。

 

厚着の状態に身体が慣れるということは、基礎代謝や、体温の管理機能が鈍る可能性が大です。

服を着込むことで、その機能を持つ必要が無いからです。

着込まない人と比べると機能が弱くなる。

 

言ってしまえば、服が身体の調整機能の肩代わりをしている状態です。

そうなれば、身体はその機能を捨てます。

省エネできるから。

皮肉なことに、こまめに子どもの服を調整すればするほど、この傾向は強まります。

 

手先、足先が冷えても心配ご無用

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とはいえ、冬場。

子どもの手先や足先が、冷たくなっていると、

 

「こんなに冷えてるじゃないか!」

「冷たくなってるから風邪引く!」

 

と、心配される方もいると思います。

 

ここには、若干の誤解があります。

 

寒い時に、手先や足先が冷えている状態を指して、

「こんなに体温が下がってる」

「こんなに寒い状態じゃダメだ!」

 

と、心配するのはホントのところ、早計なのです。

 

なぜなら、手先、足先を冷たくすることは、寒さ対策としての大切な防衛手段なのです。

 

詳しいメカニズムは他所に譲るとして、ココでは簡単に。

 

手先や足先などの末端が冷えるのは、血管を収縮させるからです。

主には交感神経の働きです。

 

血管を収縮させるのは、それにより、体内(体の中心部)から熱が逃げるのを防いでいるのです。

 

たとえば、

高齢者は寒がりです。

それは、筋力の衰えと、血流量の調整機能が弱まるからです。

そんな高齢者の手先に触れると温かく感じることが多いのは、皮膚血管を収縮させる反応が鈍いためです。

そのため、体内から熱が奪われやすくなり、寒いと感じやすくなるのです。

 

つまり、寒い時に手先や足先が温かい方が危ないということです。

 

手先、足先が冷たくなるのは、身体がきちんと自己防衛機能を働かせている証拠です。

 

低体温症になっていれば別ですが。

その前に危険信号が出ます。

身体が震えたり、唇が青くなったり。

その危険信号がなければ大抵心配ありません。

 

そもそも、血管を収縮させるのも筋肉の働きです。

収縮させる機会がなければ、その筋肉が衰えるのは、至極当然の理屈。

つまり、寒いから収縮、暑いから弛緩。

両方必要というわけです。

 

と、アレコレ理屈こねましたが、どう考えても靴下や手袋は、EEEではありませんから

こんなこと言うまでもなく、必要ないはずなのです。

EEEについては、こちらをご覧ください。

当ブログの全てを貫く基本概念です。

大人も子どもも悪循環にハマる

特に子どものうちは、室内で靴下を履かせる必要は皆無!

冬でもです。

もちろん、床暖房なんていりませんよ!

日本なら戸外でも必要ないくらいです。

氷点下の戸外であれば、子どもの様子を見て履かせるかどうか考えるくらいでしょうか。

 

子どもは寝るときによく布団をはいでしまったり、布団から抜け出してしまったりします。

大人とは基本的に体感温度が違うのであります。

そもそも、体温も違います。 

 

大人の感覚で判断すると、子どもの発達機会を逃してしまいかねない。

 

ココが今回言いたい「ホントのところ」のです。

 

ちなみに、大人も寝る時に靴下を履いて寝る方がいますが、あまりお勧めできません。

 

足元冷える→靴下履いて寝る→冷え性進む→靴下履いて寝る→身体が慣れて靴下当たり前になる→靴下重ね始める

 

こんな感じで悪循環にハマります。

 

それよりも、筋肉をつけましょう。

筋肉が熱を生みます。

男性に比べて女性が冷えやすいのも、筋肉量が少ないからです。

もちろん、高齢者も同様です。

 

と、話が完全に脱線しました。

 

でも、このような悪循環のワナが、子育て場面でも非常に多く見られます。

 

どこかでその循環を断ち切らねばなりません。

 

ですが、断ち切るには最初にそれなりのエネルギーが必要で、それは大抵の場合、結構しんどいものです。

 

児童期以降に今まで履いてた靴下をいきなり脱がしにかかれば、抵抗に遭う可能性もあります。

 

他にも厚着によるデメリットがいくつか考えられます。

が、長くなるので次回に続くということで、今回はこの辺で。。

本日も最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。
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