脳科学と心理学から語る子育てのホントのところ

子育て全般について、主に脳科学と心理学の観点から、本当に大切なことをメモ代わりに書き綴っていきます。

薄着のススメ 子どもを健康に育てる為のホントのところ 後編

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本日は前回記事の続きです。

前回くどくど書いたように、EEEや、適応の視点から子育てを捉えると、また違った世界が見えてくると思います。

 

この2つの視点を取り入れると、企業の宣伝や、巷に蔓延する子育て情報に振り回されるのを防ぐことができると思っています。

 

「ホントのところ」です。

 

というわけで、今回ももう少しだけくどくどと続きです。

 

 

他にもある厚着のデメリット

前回厚着のデメリットを中心に書きました。

今回ももう少しだけお付き合いください。

 

他にも厚着によるデメリットがいくつか考えられます。

動きを制限される

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これは、よく指摘されていることではあります。

厚着をすれば、自ずと動きに制限がかかります。

重ね着をすればするほど、手足は可動域が狭まるでしょう。

これから身体を発達させる子どもたちにとって、いかに冬季だけとはいえ、この状態が日常になると、大変によくない。

 

なぜなら、ここにも「適応」が働くからです。

 

動かさない(動かない)範囲があれば、動かす必要が無いということに等しいですから、最終的に本当に動かなくなります。

可動域が狭まるというわけです。

 

「そんな大げさな」

 

と、言われるかもしれませんが、扁平足や、浮き指、外反母趾等々も同じ理屈です。

 

それらは病気だ。

と、言われるかもしれませんが、少し見方を変えれば、環境に合わせた「適応」の結果とも言えると思います。

 

逆に、スポーツ選手が可動域が広いのも、同じ理屈です。

彼らは「使うから動く」のです。

 

また、厚着は、無意識のうちに行動範囲も狭めます。

 

乳幼児の行動範囲が狭まるというのは、かなり大きな問題です。

 

というのも、年齢が小さいほど、発達の拠り所は身体を動かすことそのものになるからです。

 

つまり、脳の発達に直接的に影響します。

 

いつかの記事でも書きましたが、脳の中では、身体の部位ごとに担当する脳領域があります。

全身を動かすことが、脳を広く使うことになります。

 

子どもが全身を動かせば、かなりの熱量を生みます。

全然暑くないのに凄く汗をかいている子どもたち。

よく見る光景です。

やはり、大人の感覚で暑い、寒いを判断すると間違いのもとと言わざるを得ません。

 

モコモコのダウンジャケットやジャンパー、かなり太めのマフラー、ごっつい生地のズボン、背が高いブーツ等々。

正直言って、おススメしかねます。。

 

とはいえ、オシャレしたい時もありますから!

そういう時は関係なく、もちろんイイんです!

 

防寒対策として着る必要は無いし、遊ぶ際にはメリットが無いので、オススメできないというのが、ホントのところ。

 

そういった服装は、食べ物で言えば嗜好品のようなモノで、健康や発達のためのものではないと考えるべきなのです。

皮膚接触を制限される

身体は繊細です。

特に皮膚は、子どもの脳と言われるくらい大切な働きをしています。

 

なぜなら、乳児や幼児は特に皮膚を通して世界を知ることが多いからです。

 

固い、柔らかい、ベタベタ、スベスベ、ヌルヌル、ドロドロ、チクチク、ヒンヤリなどなど、触り心地、肌触り、手触り。

 

皮膚を通した触感で、世界の様々な実態を知っていくのです。

 

手の平だけではござんせん。

足の裏や太腿、お腹や背中に唇やほっぺ。

全身の皮膚が同じくらい大切です。

 

その様々な刺激1つ1つが全て脳へ伝わり、発達の礎となります。

 

そして、服を着るということは、その大切な皮膚を隠すということです。

 

非常にもったいない!

 

当ブログを読んでいただいている方なら、もうお分かりかと思います。

「さわる」「ふれる」というのは、子育ての極意です。

最も重要な5つのうちの1つです。

詳しくは過去記事をどうぞ。

「さわる」に関する記事はたくさんあり、リンクを貼りきれないので、ココには重要な記事のみにさせていただきます。

残りは子育ての極意カテゴリからご覧ください。

www.musubiyt.com

では、寒い国はどうしてる?

世界には日本より寒い国がゴマンとあります。

そういった場所での乳幼児に対する寒さ対策は、どうなのでしょうか。

 

ここでは北欧の国での寒さ対策の一端をご紹介します。


北欧のいくつかの国では、厳しい寒さに慣らすための特徴的な文化があるようです。

 

親だけカフェ

ノルウェーでは、カフェの前(外)にベビーカーがズラリと並ぶ光景が日常のようです。

 

そのベビーカーの中には、なんと、眠っている赤ちゃんがいます。

 

つまり、お母さんは店内でカフェをし、ベビーカーに乗った赤ちゃんは外で寝て待つ。

 

というわけです。

 

僕も少し前にテレビでその光景を見たことがあります。

本当にカフェの前にはズラリと赤ちゃんが乗っているベビーカーが置いてありました。

 

ママ達は、店内でのんびりカフェタイム。

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写真:マイナビウーマン

 

店内にいて大丈夫なのか?

と、心配になりますが、通信機器があるので、赤ちゃんが泣けばすぐに駆けつけるようです。

外で昼寝

また、スウェーデンの保育所では、下の写真の通り。

この写真、保育所の昼寝の模様です。

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写真:SIMPLE LIFE

 

マイナス15度くらいまでは、外でお昼寝するとか。

もちろん、赤ちゃんもです。

 

いかにしっかりと着込んで防寒しているとはいえ、ちょっと我々の感覚では、さすがに信じ難いですが。。

 

近年の研究で明らかになったことがあるそうで。

 

実は、「外で寝た方がぐっすりと長時間眠れることが分かった」ということです。

また、締め切った室内よりも、新鮮な空気の中で寝るので、病気の予防にもつながるんだとか。

 

締め切った室内にウィルスや細菌が蔓延する理屈は理解しやすいとして。

問題は、「外の方が長時間眠れる」という結果ですよね。

 

これ、EEEの視点で考えれば、納得いく結果でもあります。

なぜなら、現在の高気密、高断熱の室内の方が、もともと人間にとって「異常な環境」なわけで、EEEから外れていることに間違いないからです。

静かすぎたり、機械音が聞こえる環境より、自然の音に囲まれて眠る方が心地よいということなのかもしれません。

が、都会だとどうやったって難しいところです、、。

 

くどいですが、EEEについてはこちらをご参照ください。

寒いから慣れさせるという発想

2つの例に共通していることは、

寒いから、それに慣れさせるという発想です。

ここが非常に大切な点です。

それとは逆に、現在の日本の大人たちの多くは、

寒いから温かくしてやるという発想です。

 

両者は真逆の発想です。

 

そして、残念ながら、本当の意味で子どものためになるのは、前者の方でしょう。

 

身体の仕組みを知れば、「慣れさせる」という考え方がとても大切なことが見えてきます。

 

結論、冬の服装と過ごし方

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結局のところ、なるべく薄着で過ごしましょう。

というだけのお話です。

 

理想を言えばキリがない。

けど、あえて言うならこんな感じ。

 

乳児でも、冬の室内で

下半身はオムツ(パンツ)のみ。

上半身は下着と長袖シャツくらい。

 

外でも同じで構いませんが、加えてズボンを履くくらい。

といった感じです。

 

それで十分なはずです!

もちろん、靴下なんか要りません。

 

理由は、もう多くは語りません。

EEEが根拠になります。

 

温暖化の今より気温が低かった時代に、人間はもっと薄手の服装で生活していたのですから。

 

それに適応する力があるはずです。

 

とはいえ、

 

いきなりそんな理想論を言われても、感覚がついていかないですよね。

 

実際、我が子はそこまでしてません。。

面目ない。

 

ですが、できるだけ薄着を心がけてます。

大人から見て、少し寒そうだなと思うくらい。

 

それくらいがちょうどいいと思っています。

 

我が子は今現在も靴下を履かずに過ごしています。

周囲の方々は寒そうだと顔をしかめますが、本人は全く問題なし。

一緒に散歩していても、まったく寒いと訴えませんし、寒そうにもしていません。

 

それどころか、草履で遊んでいると、自らそれを脱いで滑り台を滑ったり、砂場に入ったり。

 

寒くないの??

 

と、裸足を推奨する僕が心配になるくらい。

 

当の本人は全然平気どころか気持ち良さげ。

 

やはり感覚が違うようです。

 

というわけで、

 

さぁ、今すぐ、子どもの服を1枚減らして解き放ちましょう!

 

消費社会にとっての不都合な真実

 

「子どもは風の子」

 

そんな言葉も、今や死語になりつつあります。

 

「子どものため」という言葉が空回りしているように感じるのは僕だけでしょうか。

 

目先の体調にとらわれて、本来高めるべき免疫システムや、身体の機能の発達を奪ってしまう。

そんなことにならないように願ってやみません。

 

しかし、現代社会は「消費」が最優先。

経済が最優先。

 

なので、服やモノをほとんど必要としないという、EEEの考え方を声を大にして言う人はおそらくほとんどいないでしょう。

広めてくれる方もいないでしょう。

 

寒さ対策だけとっても、子どもに必要のないモノはたくさんあります。

 

厚着(手袋、靴下、イヤーマフ、マフラー)、スリッパ、床暖房、電気毛布、携帯用使い捨てカイロ・・・等々。

 

身体は寒さにも慣れます。

反面、温かさにも慣れます。

 

某企業から生み出される暖かく感じるインナー。

最初に出た時から、今は3つめのバージョンが出ているようです。

当初、1つめのバージョンが出てきた時は、ものすごく暖かく感じたものですが、3つめのバージョンが出た今、全く暖かいと感じなくなってしまいました。

身体というものは、そういうものです。

すぐに適応します。

というか、省エネできる方向には、すぐに甘えるのです。

 

このような暖かいインナーも、先ほど挙げたいくつもの防寒グッズも。

子どもにとっては必要ないモノばかりです。

全て、適応の観点からもう一度考え直してほしいと思います。

 

これも過去の記事で書きましたが、本来子育てにお金はかからないはずなのです。

 

「子どもは風の子」といって、寒い中薄着で子どもを放つ親

「風邪をひくから」と、服を何重にも着込ませる親。

 

どちらも子を思う気持ちは同じでしょう。

しかし、今の日本では、見られ方が180度違います。

 

前者は配慮が足らない親。

後者は愛情にあふれた親。

 

そんな見られ方なのです。

 

非常に残念な限りです。

 

「周囲の環境に、子どもの方を慣れさせる」

 

そんな考え方ももう少し必要なのではないか。

と、思えて仕方ないのであります。

子ども達自身の力を信じましょう。

そう願ってやみません。

本日も最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。
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