脳科学と心理学から語る子育てのホントのところ

子育て全般について、主に脳科学と心理学の観点から、本当に大切なことをメモ代わりに書き綴っていきます。

子どもに良い家の間取りのホントのところを考えてみる 間取り編

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前回記事の続き。

今回も子どもに良い間取りの「ホントのところを考えてみる」ということで。

特に科学的な実験結果とか検証データがあるわけではござんせんが。

なるべく科学的な裏付け検証をしつつ、書いていきたいと思います。


これから新築される方、お引越しされる方、リノベーションされる方。

ご参考だいただければ幸いです!

 

一部に過激な表現や内容、また無理難題な話が含まれてますので、閲覧ご注意ください。

 

 

今回は間取り記事のハイライト。

ココがかなり重要なところです。

だもんで内容も過激に。。

 

と、その前に。

今回の記事もEEE(当たり前にあるべき環境)をある程度知っていることを前提として書かせていただいてます。

ご面倒ですが、EEEについて書くと長くなるので、過去記事をご参照ください。

それでは、本日もクドクド系ブログに最後までお付き合い下さい。

 

ヒトはヒトに囲まれて育つ

前記事に続き、再び遥か昔の人類の生活に妄想を膨らませてみます。

 

人類がより確実に子孫を残すために選んだ子育ての手段は、「共同養育」です。

 

共同養育とは、

生まれたばかりでも、お母さんが用事がある時などには、他のお母さんに赤ちゃんを預けるという養育方法です。

たとえば、我が子でなくてもおっぱいを与えたりします。

家族にこだわらないカタチで、他人の子も我が子も同じ。

みんなお互い様の中で育てます。

 

実は、日本でも戦前までは色濃く残っていた文化です。

世界では、今もこの共同養育を行なっている民族がいます。

 

今の日本でいうと、託児所や保育所が、共同養育のような機能を担っているということになるでしょうか。

 

さすがにおっぱいはあげませんが、ミルクは与えますよね。

 

とはいえ、古くからの共同養育の方がよほど優れた機能を持っているといわざるを得ませんが・・。

 

「人間」とはよく言ったもので、我々は人の間で生き、生かされていることに間違いありません。

それは、何百万年も続いてきた育ちの原点で、ヒトが生き残るために培った戦略です。

 

ヒトは赤ちゃんの時から、家族のみにとどまらず、多くの人に囲まれて育つわけです。

 

それがヒトにとって自然な環境=EEEということになります。

 

ところが、現代の、特に先進国。

非常に異常な状態にあります。

 

ワンオペ育児は、その最たる例です。

 

共同養育のまさに対極。

 

そんなワンオペ育児を余儀なくされている今のママ達。

 

そりゃストレスにもなりますわ。

悪けりゃ病気にもなりますわ。

 

ワンオペ育児は、それくらい無理のあるものだと世の中全体が知るべきです。

 

母子だけでなく、家族全体がギシギシ軋み、今にも崩落しそうな中で子育てしてるようなもんです。

 

異常な状況だと理解できれば、もう少し子育てママに優しい社会になるのではないかと思います。

 

保育所や児相の建設に反対したり、子どもの声を騒音と言ったり、ベビーカーを邪魔だと主張したりするどこぞの自己チューな大人たちも減るのではないかと、うすーく期待してます。

 

とにもかくにも。 

我々は本来、多くの人間に囲まれて育つ必要があるのです。

 

人と出会う機会を作る

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日本の少子化、高齢化は人類史上類を見ないレベルに達しています。

 

このような社会で生まれる子ども達が、果たしてどう育つか。

 

ハッキリ言って誰にも分かりません。

だって、世界中で初めてのことですから。

 

日本がこの苦境をどう乗り切るか、世界中が注目しています。

 

そのくらい異常な状況です。

 

ですが、

幸いどんな環境が子ども達にとって好ましいかは、分かっています。

 

上記の通り、「人に囲まれる環境」は、その一つです。

 

これを、

「間取りから考える」

のが今回のテーマ。

 

まずは、家族に囲まれる環境ということです。

 

最近は、外ではもちろんのこと、家族と会う頻度も低下してます。


単純な話、

出会う頻度が高まれば、コミュニケーションの頻度も高まる。

コミュニケーションの頻度が高まれば、社会性も高まる。

社会性が高まるということは、人間社会で生きる力が高まる。

それは取りも直さず脳の発達を意味します。

 

繰り返しになりますが、

今の子ども達は少子化、核家族化などの社会的背景を抱えています。

子ども達の周りに子どもはおらず。

大人もおらず。

高齢者もおらず。。

 

子ども達にとって質の低い、極めて貧しい環境であると言わざるを得ません。

 

これは由々しき問題で、いろんな悪影響を及ぼします。

我々や当の本人も全く気づかないうちに。。

 

もちろん、脳の発達に直接影響を与えます。

 

中でも特に今回は、社会スキル(社会技能)に焦点を当てます。

 

社会技能(しゃかいぎのう)またはソーシャル・スキル(英語: Social skill)とは、社会の中で普通に他人と交わり、共に生活していくために必要な能力です。

ウィキペディアより

 

WHOは社会スキルを以下のように定義しています。

 

「日常生活の中で出会う様々な問題や課題に、自分で、創造的でしかも効果のある対処ができる能力」

 

たとえば、次のような能力が含まれます。

 

意思決定

問題解決能力

創造力豊かな思考

クリティカルに考えていく力

効果的なコミュニケーション

対人関係スキル(自己開示、質問する能力、聴くこと)

自己意識

共感性

情動への対処

ストレスへの対処

 

一つ一つについて解説するとドンドン話が逸れちゃうのでやめときますが、こうした能力は日々の様々な人間関係の中で培われます。

 

学校で勉強して学ぶものではありません。

 

そして、ある種「人間らしさ」「人間ならでは」ともいえるこれらの能力を担当するのは、主に脳の中の前頭葉という部分です。

 

この前頭葉が未熟なまま、大人になってしまう。

このような事態に至っているのです。

これを防がなくてはなりません。

 

実際に前頭葉の担当する力のうち、行動を制御する力(我慢する、待つなど)は、50年前の子ども達と比較して5年遅れていると指摘する研究データもあります。

 

5年遅れです。

 

たとえば、今の高校1年生の我慢のレベルは、小学校5年生レベルということです。

 

衝撃です。

 

もちろん、人と出会う機会が減っただけでなく、様々な環境の変化が原因で脳が発達の機会を逃し、こうなってしまっているわけです。

 

そのため、現代の環境の中で工夫して、子ども達の環境をEEEに近づけていく必要があるのです。

 

というわけで、

今回の間取り考察も、とても大切な背景を持っているわけです。

 

では、どうやって?

ハイ、ようやく間取りについてです。

人と出会う機会をつくる間取り

リビングを中央に

要は家族が密にコミュニケーションを取れる。

そんな間取りが良いということです。

「良い」というのは、「EEEに近い」ということです。

 

コレ、最近は結構言われてるし、色々と工夫されて、謳い文句にしてる物件もたくさんありますよね。

 

たとえば、

リビングを広く居心地よくして家族が同じ場所に集まりやすくしたり、

リビングに勉強ができるカウンターを設置したり、

キッチンとテレビとソファの位置関係を三角形にしてみたり。

 

どれも素敵なアイディアです。

こうした考えが今後ももっと様々考えられ、広がることを願ってます。

 

しかし、上記の例では、まだ弱い!

 

もっと、ある意味強制的に、家族同士が必ず出会う、出会わざるを得ない間取りを理想とします。

 

家族が集まる場所といえば、リビング(居間)。

 

それを間取りの中心に据えるのが理想。

リビングから各部屋へ繋がる間取りにすれば、嫌でも出会う頻度が増えます。

 

例えば、下の図はマンションの間取り例ですが、左側の間取りがまさにそれです。

玄関から入ってすぐリビング。どの部屋に行くにもそこを通る必要があります。

まさに理想型。

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なにも、直接顔を合わせるばかりが良い点ではありません。

 

この間取りだと、お母さんがリビングにいれば、子どもが家のどこにいても、なんとなく「あ、今はあそこにいるな。」と、存在を感じられます。

 

これ、非常に大切です。

 

子どもからみても同じです。

お互いになんとなく存在を認識できる。

 

これ、めちゃめちゃ大事です。

 

常に存在を感じているということは、常に社会スキルの発達に寄与しているということになります。

 

なぜなら、

存在を感じているということは、程度の差はあれど、お互いに思いやり、気遣い、遠慮などが生まれ、声を小さくしたり、物音に配慮したり、遊び方を変えたり、必要なら声をかけ合ったりするようになります。

 

その1つ1つが社会スキルを向上させていくわけです。

 

この間取りの良いところは、まだ別にもあります。

 

来客が来た時にも、帰宅や出かけるときに会わざるを得ないところです。

 

今の時代、一般的にはこーゆーことはイヤがられるんでしょうけど、、。

でも、子どもの成長と発達には最高です。

 

正直言って、多少面倒な状況でこそ、成長や発達のチャンスです。

 

嫌な状況やめんどくさい状況は無意識で避けたいという反応が働きます。

これについては、過去記事をご参照ください。脳のメカニズムの観点から説明してます。

そんなめんどくさい状況を避けていては、成長も発達もしません。

 

だからこそ、物理的に避けようのない環境を作るわけです。

 

必然的に社会スキルが身につきます。

 

時と場合や、相手に応じた礼儀やマナーがあることを、小さい時から体験して学びます。

また、親の他人に対する接し方を見る良い機会でもあります。

またまた、いろんな人に出会い、触れ合う機会は、今の時代得難い貴重なものです。

 

よく考えれば、 

こうしたことは、一昔前まで日常生活の中に当たり前に転がっていました。

が、今はほとんど見られません。

 

ちなみに、対極にあるのが、自営業で自宅兼事業所になっているようなお宅です。

 

中でも、事業所を抜けて自宅空間に入るスタイルだと、必然的にいろんな人と出会いますし、時には会話もあるでしょう。

お客さんと接する親の姿を見ることもかなり好影響です。

単純に考えれば、子どもの社会性の発達にはとても良いハズです。

 

ところが、です。

 

ここまでリビングが中央の間取りを勧めといてなんですが、正直この形の間取りはなかなか見当たりません。

 

日本のマンションは低コスト、合理性を重視するためにほとんど金太郎飴みたいな間取りになっています。

大抵、玄関から最も遠い位置にリビングがある間取りでしょう。

 

専門家に言わせれば、これは建築会社やゼネコンに都合が良い間取りで、住む方にとっては特に住みやすい間取りというわけではないのだとか。

もちろん子どもの発達なんて全く考慮してません。

 

まぁ、ここは建築ブログではないのでこの辺にしといて。

 

ここで再び先ほどの間取り画像を。

今度は右側の間取りについてです。

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こちらは、玄関から見て、リビングの手前に2つの部屋があり、リビングの奥に1つ部屋があります。

 

こういう間取りは最近増えているようです。

左の間取りに比べると、比較的見つけやすいと思います。

 

この場合、子ども部屋をリビングを抜けて行く奥の部屋にすれば、子どもにとってかなり良い間取りであると言えます。

 

理由は先ほど書いた通り。

子どもが家族や来客と出会わざるを得ない環境を作るためです。

 

戸建で言えば、リビング階段が必須条件になるでしょう。

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こんな感じ。

リビングに階段があるので、二階の部屋へ行くにはリビングを通らねばなりません。


これは、正直、家づくりの絶対的な基本指針とすべき点だと僕は思います。

 

極力避けたいのは、玄関ホールすぐに階段がある家。

 

これが子どもにとっては非常に良くない。

 

玄関から直で自分の部屋に行ける家は、避けることを強くオススメします。

 

理由は後ほど詳しく説明します。

 

ちなみに、最近はこの玄関ホールに階段という間取りは減ってきているようですが、まだまだ目にするところです。

撲滅を願ってやみません。

 

兄弟は同じ部屋がおススメ

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ズバリそういうことです。

同じ部屋でいいのです。

イヤイヤ、同じ部屋「が」いいのです。

 

少し前から欧米に右にならえの日本らしく、

 

兄弟には別々の部屋を。

子どもにもプライバシーがある。

 

なんて言うもんだから。

とにかくみんな、可能ならば一人に一部屋割当てたいと考えている。

 

ホントのところ、別々にしたって良いことなんてありゃしませんぜ。

 

とにかく、欧米の後追いしたって、良いことありゃしませんぜ。

それで戦後からどれだけ日本の素晴らしい子育て文化を捨て去ったか、、。

 

それをいまだに繰り返しているという現実。

 

いつかその辺の歴史を詳しく追っかけて解説記事を書きたいと思ってますが、、。

 

兄弟が同じ部屋だと、当然思い通りにならないことがたくさん出て来ます。

1人になれませんから常に相手の存在を踏まえた行動を余儀なくされます。

我慢や忍耐も当然しなければならない。

 

でも、それが当たり前なら当たり前にできるようになるのです。

それが人間の持つ適応力なのです。

 

毎日当たり前のように生活していても、実はかなり社会性を磨きながら過ごしていることになります。

 

前頭葉を発達させ、社会性や感情のコントロールを身につけていくのです。

 

ですが、1人1部屋与えていれば、その必要性はかなり少なくなります。

 

相手への配慮も、我慢や忍耐も比較にならないほど小さくすみます。

小さく済めば、それだけ能力を伸ばすチャンスを失っているということです。

 

そして、そのまま大人になるのです。

 

どちらが子どもにとって良い環境かは歴然としています。

 

ただし、その分兄弟喧嘩も増えるでしょう。

親はそのせいで手や時間を取られるかもしれません。

しかぁし!兄弟喧嘩もめちゃくちゃ大切!

買ってでもした方が良い!

 

今は保育所や幼稚園でもほとんど大した喧嘩を体験できませんヨ。

 

すぐに大人が介入するからです。

 

本当は喧嘩を大いにして、痛い思いをした方がいいのです。

保育者や幼稚園の先生も、ケンカをさせたいと心では思っています。

が、怪我をすれば大騒ぎになるのが今の世の常。

 

先生たちもそれに過敏になり、喧嘩をさせないように、ケガをさせないようにということが最優先の至上命題になっています。

 

これ、残念ながら多くの園で起こっているホントのところです。

 

このこともまた、いつか記事にしたい!

と、思っとります。

 

話を戻します。

兄弟一緒の部屋と言いましたが、そのことが難しくなっているのも事実です。

理由は少子化などで、今の日本では兄弟別の部屋が標準になりつつあるからです。

そうなると、子どもが別の家と比較をして「なんで僕の家は・・」ということになります。

ホントのところを踏まえて、世の中が兄弟同じ部屋が標準になればイイのですが、そうもいきません。

そこで、妥協案。

そこにある程度子どもが成長したり、年の差が離れた兄弟の場合などは特に、本棚やタンス、パーテーションなどで部屋を仕切って分ける。

これならアリだと思います。

一応、念のための補足でした。

 

とうわけで、本日も長くなりました。

もう少し続きマス。

ご辛抱の上、次回もお付き合いください。

本日も最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。
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