脳科学と心理学から語る子育てのホントのところ

子育て全般について、主に脳科学と心理学の観点から、本当に大切なことをメモ代わりに書き綴っていきます。

子育ての極意「話しかける」話しかけ方編

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子育ての極意5つ。

いつものごとく、おさらいから。

 

1.目と目を合わせる、見つめあう

2.微笑みかける、笑顔を見せる

3.話しかける

4.褒める

5.さわる、ふれる

 

はい、本題へ。

 

前回、「話しかける」は「質問力」と言う話をさせていただきました。

 

今日は、話しかけ方の話デス。

 

不安を与えない話しかけ方

 

結論から申しますと、相手に不安を与えないように話しかけるには、2つのテクニックがあるということです。

笑顔で話しかけるのは当たり前なので、テクニックに入れませんが・・。

 1.目線の高さを相手と同じか、相手より下げて
 2.左斜め前方から近づき、
 3.体は正面から向き合わない

あ、3つになっちゃいました。

まぁ、2.をすれば、自ずと3.も、という感じになるということで。

 

目線の高さ

 1つめの目線の高さは、子どもと相対する職業の方にとっては鉄則と言われるものの1つです。

子どもが何か話しかけてきた時や、子どもが泣いている時など、じっくり話を聞くときは、必ず中腰以下になり、目線を下げます。

これだけで、子どもはぐっと心を開いて話をしてくれるようになります。

上から見られるのは、どうしても威圧的に感じさせてしまうのです。

子どもの方も、話したくても話せない気持ちになってしまいます。

 

想像してみてください。

ふと気づくと、自分のそばに2m級の方がいて、話しかけてきたら・・。

おそらく大人でも一瞬不安を感じてしまうことでしょう。

もちろん、相手に敵意が無くともです。

就学前や小学校低学年のお子さんにとって、大人は、それ以上に大きな存在として映っているはずです。

ちょっと、図解で。

 

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Aは、右側が成人男性(170cm)で、左が2m級の方(209cm)です。

Bは、左側が成人男性(170cm)で、右が就学前のお子さん(113cm)です。

Cは、左側が成人男性(170cm)で、右が小学4年生程度(136cm)です。

比較しても分かるように、就学前のお子さんは、我々成人男性が2m級の方を仰ぎ見るよりはるかに大きな存在として、映っていることが分かります。

ちなみに、ジャイアント馬場氏が209cmらしいです。。

つまりは、就学前の子どもにとって、170cmの大人というのは、ジャイアント馬場よりもはるかに大きい存在なのであります。

そして、Cでようやく同じくらいといったところでしょうか。

つまり、小学4年生にとって、170cmの大人はジャイアント馬場級ということです。

子ども達の目線、そこから見える世界は、大人たちのそれとは全く異なる景色が広がっています。

 

というわけで、幼稚園教諭や保育士は、目線を下げることを基本として、日ごろから意識して行っているのであります。

もちろん、応用的にあえて目線を下げないというのもあります。

目線を上下させることは、スキルであるというわけです。

 

相手との位置関係

 

相手との位置関係によって、不安を軽減させることもできます。

たとえば、カウンセラーが古くからよく使うテクニックがあります。

カウンセラーは、カウンセリングをする時に相談者との席の配置に気を使います。

まずは、図で見た方が分かりやすいと思いますので、下の図をご覧ください。

 

話しかける際の位置関係

 

Aのようのに、正面から向き合う配置は、心理的に敵対関係になりやすいので、避けることが多いです。

Bのような斜め45度か、Cのような平行(横並び)に座るかが多いようです。

相談者が少しでも話しやすい環境を用意しておくというわけです。

よく、テレビとかで、「偉い人と偉い人がなにやら会談しました」みたいなニュースがありますよね。

その時、相手との座り方が、同じ方向を向いていることが多いと思いますが、あれも、同じことです。

国と国のトップが話をする時に、両者が友好関係にあることをアピールしたいときは、Cのように座って話をするということです。

下の写真のような具合です。

キツめのぼかしで少々見辛いかもしれませんが。。

 

話しかけ方:横並びに座るの図

 

というわけで、相手との位置関係は正対しない位置を選のが大切ということになります。

僕自身は、よく斜めから入るように心がけています。 

 

右と左の違い

 位置関係を工夫する上で、もう1つポイントがあります。

それは、右と左を使い分けることです。

脳は、右と左で大雑把に役割を分けて担当しています。右は感覚的、左は論理的というのは、どこかで聞いたことがあるかもしれません。

厳密に言えば、どちらの脳もどちらの力をある程度担当しており、きっちりと分けることはできないのですが、ざっくりとそんな感じという程度です。

そして、脳の神経は、交差しておりますので、身体に達する時には、逆になります。

右半身が、論理担当。左半身が感覚担当。

表情筋も、左半分を感覚担当の脳が司っています。

つまり、表情の左半分は、より感情がストレートに出やすい。

ということになります。

また、「左」というのは、行動の基準にもなりやすいので、安心感もあります。

たとえば、文字も左上から書きます。

人が画面を見るときは、無意識に左上から見始めます。

陸上競技もトラックを左回りに走ります。左に左に走っていますよね。

原因としては諸説あり、正直不明・・という感じのようですが。。

とにかく、たいていの場合、相手の左側に自分が位置するように意識すると良いということでしょう。

  

体の向き

 

さて、位置関係を工夫したら、あとは、体の向きです。

せっかく左斜め45度から話しかけても、相手に対して正面を向いていては、緊張感を和らげるにはまだ弱いと思います。

先日、TVを見ていたら、某バラエティ番組で、カリスマ試食販売員がテクニックを披露していました。

狙いを定めた相手に近づくとき、相手に緊張感を極力与えずに近づく方法として、なんと、後ろ向きで背中を向けて近づいていたのであります!

思わず、僕、拍手!

後ろ向きとは恐れ入りました。

ちょっと状況が違うので、子ども相手に話しかけるのに、後ろ向きだと難しいかもしれませんが、ポイントは同じです。

身体の正面をまっすぐ相手に向けないことです。

そうすることで相手に緊張感を極力与えず、不安を軽減できるのであります。

そして、相手の懐に近づいていくわけであります。

 

 まとめ

 

さて、冒頭で申し上げました通り、結論としては、

 1.目線の高さを相手と同じか、相手より下げて
 2.左斜め前方から近づき、
 3.体は正面から向き合わない

この3つを念頭に、子育ての極意「はなしかける」を使うわけです。

「はなしかける」については、下の記事をどうぞ。

 

www.musubiyt.com

 

こういった細かいスキルは、小手先のように感じるかもしれませんが、これが、潜在的にかなり大きな影響を与えることが分かっています。

こうした細かいスキルを無意識で使えるようになることを目指すのであります。

とはいえ、子育てにおいては、そこまで気を張らなくても良いわけですが、、

他人の子と接する機会があれば、ぜひ活用してみてくださいませ。

 

相手の子どもが、不安が強かったり、人見知りだったり、初対面だったり。

そんな時に試してみると、面白いかも。です。

本日も最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。
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