脳科学と心理学から語る子育てのホントのところ

子育て全般について、主に脳科学と心理学の観点から、本当に大切なことをメモ代わりに書き綴っていきます。

子育ての極意「さわる」触り方編

スポンサーリンク

スポンサーリンク

スポンサーリンク

2歳までは、とにかくこの5つ!

他はいりませーん。

今日もここから。

 

1.目と目を合わせる、見つめ合う

2.微笑む、笑顔を見せる

3.話しかける

4.褒める

5.触る、ふれる

 

「さわる、ふれる」の大切さ、影響力の大きさが世の中に少しでも浸透しますやうに・・。

という願いを込めつつ。

本日もしつこく続けます。 

でも、最近長すぎるというご指摘も頂いておりますゆえ、、。

さらには毒が目立つなんてことも、、。

というわけで、なるべく簡潔にまとめるように努力いたします。

 

 

秒速五センチメートル

 

f:id:yuji0605_koi:20180918175936j:plain

いつか話題になったアニメのタイトルではありません。

知らない?

ハイ、ごめんなさい。

ちなみに桜の花びらが落ちる速さとかいうロマンチックな説もありつつ、、

どーやら、事実無根の都市伝説らしいですが、、。

 

話を戻しまして。

なんの速さかというと、、。

 

「さわる、ふれる」速さです。

 

触られた時に気持ちよく感じるかどうかは、スピードが重要な要素だということが指摘されています。

 

もっとも癒しを与える=オキシトシンを分泌させる速さが、

 

1秒間に3㎝~10㎝。

 

ピークは、1秒間に5㎝

 

この速さがもっとも気持ちが良いことが分かっています。

 

うーん・・。分かりにくいですよね。

 

結構ゆっくりです。

 

やっぱり、分かりにくい・・。

 

もうちょっと具体的に。

 

素早く1から10まで言う早さがちょうど1秒くらいということなので、その間に5㎝手を進めてみてください。

 

大体そんな感じです。。

 

この速さ、

お母さんが愛情込めて、赤ちゃんを優し~くなでる速さと同じだとか。

 

猫や犬、その他哺乳類の動物たちが生まれたばかりの赤ちゃんに優しく舐める速さもこの速さだとか。

 

動物たちは、本能的に大切なことを知っているわけですね。

人間も含めて。

 

ちなみに、1秒間に20㎝以上の速さは、交感神経を優位にし、覚醒レベルをあげます。

なので、「癒し」ではなくなります。

 

早さで効果が全く変わってくる!

 

マッサージが上手な人は、やっぱり手の速さが秒速10㎝以内なんでしょうね。

マッサージのプロは、ピッタリ秒速5㎝の人に違いないっ!

 

触る場所

 

f:id:yuji0605_koi:20180918180002j:plain

 

癒しを感じ、オキシトシンを分泌させるためには、触る場所も大切です。

結論からドーンと言うと、

 

顔と腕が狙い目です。

 

実は、秒速10㎝以内の速さで皮膚に触れられた時に反応する神経線維が発見されました。

 

それが、「C触覚繊維」と呼ばれるものです。

 

コヤツがある場所でないと、この癒しを捕まえられないというわけでございます。

 

そして、この神経線維がある場所はというと。

 

毛が生えている部分です。

 

なので、手の平や足の裏には、この神経線維がありませぬ!

 

そこを触れても癒しは得られないのです。

どっちかというとくすぐったい??

 

そんでもって、特に多いのが腕と顔なんです。

 

さらに言えば、顔が最も多い!のです。

ちょっと意外。

 

なので、ホントに癒しを感じたい方は、マッサージに行き、顔と腕を重点的にしてもらいませう。

 

なんて余談はさておき。

 

子育ての極意として、赤ちゃんに「さわる、ふれる」ときは、腕や顔を重点的にすることをオススメします!

 

きっと気持ちいい反応が見られるはず!

 

なのですが、もう一つだけポイントがあります!

 

触る時間

 

触ったらすぐオキシトシン分泌!

 

残念ながら、そういうわけにはいきませぬ、、。

 

ラットの場合、触り始めて5分程度で分泌され始めます。

その後続けても、分泌量が増えることはありません。

また、この効果は触れるのをやめた後も、10分程度は続きます。

 

人の場合は、振れ初めて10分から15分程度でピークに達します。

また、1時間程度でオキシトシン効果が切れるようです。

 

単純に言えば、1時間おきに赤ちゃんや子どもと触れ合うと、高いレベルでオキシトシン分泌を促すことができそうです。

 

触れ合いながら、目と目を合わせ、話しかける。

 

これを短い時間で良いので、ちょこちょこやることで、オキシトシンが確実に分泌されるようです。

 

ラットの場合、

このような触れ合いを5日以上続けることで、血圧を下げたり、ストレスへの耐性を高めることができるようです。

 

人間もきっと同様の効果が期待できると思われます。

 

触り方の引き出しを増やす

 

f:id:yuji0605_koi:20180918180026j:plain

 

子育ての極意「話しかける」や「褒める」と同様に、「さわる、ふれる」も、様々な方法があります。

 

教育現場でも、触ったことにより、意図せずトラブルになりかねないこのご時世。

悪ければ訴訟問題ということも。

なんとも世知辛いことですが。

そんなトラブルを回避するためにも、相手の年齢や、その場の状況に応じた触り方を考慮しないといけません!

 

ま、相手が不快な思いをすれば、当然オキシトシンやセロトニンは分泌されませんから。

考慮することは必然といえば、必然。

 

というわけで、プロとして、いろんな触り方のバリエーションをもっておき、スキルとして昇華させていくわけであります!

 

いやいや、プロだけでなく。

 

これ、ママやパパにとっても大切なことなのであります。

 

なぜかっていうと、触覚が敏感なお子さんもいるからです。

当然、大人にもおられますよ。

 

僕の実感では、わりと多くいらっしゃいます。

本人も気づいてないことが多いですが。

 

子どもで言うと、泥遊びや水遊び、粘土遊びなどが苦手とか、裸足になるのが苦手とか。

大人で言うと、帽子や、腕時計、ネックレスなどを身につけるのが苦手とか、人と近い距離が苦手とか、人ごみを嫌うとか、くすぐられるのが物凄く嫌いとか。

 

そういった人は、触覚が敏感かもしれません。

 

おっと、また脇道へ、、。

 

とにかく、敏感な子ども達は、触られることに不安を持っていることが多いです。

なので、なかなか直接触れさせてくれないかもしれません。

 

ですが、

前回の記事でも書いた通り、触れないでいると、オキシトシンが分泌されることはありませんし、使わない器官は退化していきます。

www.musubiyt.com

結果、さらに不安が高まり、皮膚の敏感度も高まる一方という悪循環に陥ってしまいます。

 

そういった子ども達ほど、何らかの方法で、「さわる、ふれる」機会を確保する必要があるのでございます。

 

敏感なお子さんでも、心地よいと感じる方法が必ずあります。

それが顔なのか、腕なのか背中なのか、はたまた触れる速度なのか、肌触りなのかは試してみないと分かりません。

 

このような場合は、触る速さや場所、時間などにこだわらず、とらわれず、とにかく肌と肌の接触の機会を確保することが大切です。

そして、それを楽しむ、または、その心地よさを味わうことが最重要!

 

理想は上記のような触り方かもしれませんが、実際の場面では、マッサージでもしない限り、難しいです。

5分て言ったって、結構長いですから。

 

え?でも、それじゃオキシトシンが出ないんじゃないの?

 

と、なりますよね~。

 

大丈夫です。

 

最初はそれでいいのです!

そこから始めませう。

 

それに、触れ合い遊びは、自己肯定感を高め、安心感と満足感を高めるという研究報告もたくさんあります。

 

また、赤ちゃんなら一時間おきにでも上記のような触れ合いができるかと思いますが、幼児にもなれば、5分も黙ってマッサージを受けることは難しいでしょ。

 

日中の活動時間などでは、ふれあい遊びで良いと僕は思います。

もちろん、それもやれる時にやればいいのであります。

 

上のような「さわる、ふれる」に取り組むのは、落ち着いた時間帯。

寝る前などにやってみるのが良いと思います。

 

先に書いたように、「年齢やその場の状況に応じた触り方」というやつです。

 

触り方いろいろ

 

というわけで、色々話が飛び火しましたが、まずは触り方のバリエーションご参考までにご紹介します。

 

優しくさする

腕を組む

手を繋ぐ

握手する

ハイタッチする

肩をポンと叩く

頭をなでなでする

肩をなでる

肩に手を置く

肩を組む

抱きしめる(ハグ)

抱っこする

おんぶする

肩車する

バックハグ(キムタク風)

ほっぺたに手を当てる

ほっぺた同士をくっつける

マッサージする(肩を揉む、腕や足の筋肉をほぐすなど)

大人がお馬さんになり、乗る

手遊び、ふれあい遊びを通して触れる

ET触り(人差し指と人差し指)

 

触り方は、他にも色々考えられると思います。

 

たとえば、触れ合い遊びならそれこそ無限にございます。

ネット上でもたくさん情報がありますので、ここでは割愛させていただきます。

 

ごくごく簡単なモノ、すぐにでもできるモノだけちょびっとご紹介。

 

大人がうつ伏せになって、背中の上でバランス

大人が木になって登らせる

背中に文字を書いて、当てっこ

足の甲に子どもを乗せて歩くロボットごっこ

 

などなど・・

 

皆さんも普通にやられているかもしれませんが、立派な触れ合い遊びです。

 

また、

わらべうた遊び、伝承遊びなどには、触れ合う要素が多く含まれています。

せっせっせーのよいよいよい・・(正式名称知らず・・)

ずいずいずっころばし

ちゃつぼ

 

は、有名ですよね。

昔の人は本能で脳に良いことを知っていたのでしょう。

 

これらは3歳以上の幼児を対象にした遊びですが、Youtubeなどを見ると、動画で赤ちゃんを対象としたわらべうた遊びがたくさん紹介されてますので、ご覧いただければと思います。

 

物を介して「さわる」

 

敏感なお子さんを相手にどのように「さわる、ふれる」機会をもつか。

という話をしましたが、肌と肌の触れ合いにこだわらない方法もございます。

 

たとえば、手にはめるタイプのぬいぐるみをもって、触ってみるなど。

 

モノ(ここではぬいぐるみ)を介して触るというのも一つの方法です。

 

別にモノはなんでもよぅござんして。

ボールでも、クッションでも、ボクサーグローブでも、、。

 

あ、でも、とりあえずは柔らかいものをオススメします。。

その理由はもう少し後に書いております。

 

タッピング

 

また、オキシトシンが分泌される触り方として、「タッピング」が有名かと思います。

左右交互に指先の腹の部分でやさしくタップを繰り返す方法なのですが、ここでは長くなりすぎますので、ご紹介だけに留めます。

詳しく知りたい方はこちらの本がおススメです。

 

その他いろいろ

 

肌触りで、心が変わる

 

触れたものの触覚が自分でも知らないうちに心に影響を与えている。

という事実を示す実験があります。

アメリカの心理学者、ジョシュア・アカーマンらは、街を歩く64人の通行人に対し実験しました。

まず、5ピースのパズルをしてもらいます。

その後、2人の人物のある曖昧な会話の一節を読んでもらい、その印象を尋ねます。

これだけなのですが、実は、パズルをする時に、通行人の半数には、「滑らかな」ピースを渡し、もう半数には、サンドペーパー製の「粗い」ピースを渡していました。

 

すると、同じ文章を読んでいるはずなのに、会話の印象が大きく異なったのであります。

「滑らか」グループは、より「調和した」心地よい会話という印象をもちました。

 

さらに、

もらった宝くじを相手と分け合うゲームに参加してもらったところ、

「滑らか」グループの7割は、相手と協調的に分けたのに対し、「粗い」グループは、75%の人が自己中心的な分け方をしたということです。

 

おそろしい・・。

 

ちなみに、柔らかいソファ、あるいは堅い椅子に座らせるといった受け身的な接触でも同様の効果がみられたそうです。

 

つまり、触覚が得た刺激と同じような心の状態になるということです。

 

おそろしい・・。

 

でも、でも、逆に言えば、心がツンツンしている時に、やわらかい、肌触りのよいものに触れることで、心を柔らかくできるということでもありますよね!

 

そして、

それに、最近は、気持ちイイ感触のグッズなどもたくさん売っています。

触ってみると結構ハマります。

 

こんなヤツとかです。「スクイーズ」といいますです。

こういうのを握るだけで、気持ちまで柔らかくなるのであります。

実際に、不安が強まった時の為にもって置き、いざというときに握るというお子さんもたくさんいらっしゃいます。

いざというときのお守りとして。

他にも、ビーズクッションや、低反発素材など。一番心地よい素材を普段から探しておくことも良いと思います。

 

年齢が上がるごとに変わる

 

年齢やその場の状況に応じた「さわる、ふれる」が必要だと書きました。

いくら「さわる、ふれる」が大切だといっても、年齢に応じた触り方があります。

 

たとえば、小学校に就学してもお母さんのおっぱいを触ったり、口と口でキスをしたりなど、べったりとし続けるケースが時々あります。

 

こういった行動は、ハッキリ言うと好ましくありません。

 

この年齢にして、こんな触れ合いを許していていいのだろうか?

 

そんな疑問が生じたら、それはもうやめるべき時です。

 

でも、こういった場合、お子さんの方も必死です。

「なんで?」「お願い!」「僕のこと嫌いになったの?」

などと、あの手この手で粘りに粘るでしょう。

 

でも、負けてはいけません。

断固拒否すべきなのです。

おっぱいを触ろうとすれば、背を向けてください。

キスをせがめば、マスクをしてください。

 

触れさせることすらしません。

 

もちろん、「許される触れ合い」は、確保してあげてください。

 

こうした場合、言葉での説明はほとんど不要です。

態度で示す必要があります。

 

「ダメなものはダメなの!」

 

で、いいのであります。

ちょっとでも触れられてしまえば、負けだと思ってください。

 

お母さんの方も寂しいかもしれません。

しかし、最悪なのは、お母さんも、子どもも、両方共が依存しあっているケースです。

こうなると、子どもの自立は望めません。

父親が切ってあげるのも手ですが、やはりお母さん自身が断ち切るのが良いと思います。

 

繰り返しますが、「年齢的に許される触れ合い」はしっかりと行ってください。

年齢があがれば、直接触れ合うのではなく、会話の時間や一緒に何かをする時間をもつことでも「触れ合い」です。 

そういった楽しい会話でもいいのです。

 

年齢が上がるにつれ、直接的な接触は減らしていくべきなのです。

なぜかというと、特に男の子とお母さんの直接的接触は、「癒し」から「性的かかわり」に機能が移行してしまう可能性があるからです。

 

拒否された子どもは、もちろん喪失感を伴うでしょう。

ですが、そこで好ましい関わり方、好ましくない接触を学ぶのです。

 

これは自然界でも同様です。

 

動物たちは、一定の時期を過ぎれば、母親が断固接触(特に授乳など)を拒否し、触らせることすら許しません。

 

それは自立のための必要な厳しさなのです。

 

さて、最後は厳しい話になりましたが、これもホントのところなので。

ご容赦ください。

頭の片隅に置いておいてもらえれば嬉しく思います。

 

くどいようですが、「子育ての極意」と言いながら、老若男女に効果がありますから。

ご家族で、お知り合いでお試しアレ。

 

あ、本日参考にした本は以下の通りです。

タイトルに参考図書を添えると書いているにもかかわらず、全くと言っていいほど載せておらず。

ご指摘を賜りましたので・・。

特に前半の内容が詳しく掲載されていますので、ご参考下さいませ。

 

本日も最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。
よろしければ下のボタンぽちっとお願いします。皆様のぽちっが大変励みになります。