本日のテーマは「自尊心」。
子育て中のママや、子どもに携わる方は、よく聞く単語だと思います。
「自尊心の高い子を育てましょう!」
「自尊心が一番大切です。」
和食界で言えば、ご飯に味噌汁くらいのド定番文句。
でも、
自尊心って何?
その育て方は?
曖昧になりやすいこの辺の「ホントのところ」を頑張って書きたい、伝えたい!と、思う次第です。
自尊心の正体!
まずはサクッと自尊心の正体から。
1、存在への自信
2、能力への自信
この2つです。
この2つがしっかりあれば自尊心は高まる。
これがホントのところ。
非常にシンプル。でも奥深いです。
それでは1つずつ。
存在への自信をつける
存在への自信とは
その言葉通り。
「自分が存在していてイイんだ!」
「ありのままの自分でイイんだ!」
という思い、認識を持っていることです。
存在への自信をつける方法
①自分は自分!人とは違うんだ!
この辺はほぼ前回とその前の続きモノです。
他者と比較していては、存在への自信は高まらないからです。
自分は自分!
そう思えてこそ、自尊心は高まるのです。
と言うわけで、方法は簡単。
一人ひとり違う存在であることを当たり前とし、口を酸っぱくして伝え続けることです。
そのために大人は、他の子と比較しない。
他の子と比較すれば途端に説得力を失います。
比較対象は常に「その子の過去の姿」です。
あとは、こちらの記事を読んで頂ければ完璧です。
②子育ての極意5つ
久々登場しました。
子育ての極意。
このブログの、いや、子育ての根幹をなす5つ。
これが存在への自信を培います!
0から2歳まで。
この期間は、この5つさえしてれば大丈夫。
もちろん、2歳以降も続けてくださいね。
5つとは、「見つめる、微笑む、話しかける、褒める、触る」
これらについては散々書きました。
重要性から具体的な方法まで。
どこにも書かれてない情報を綴っていると自負してます。
だもんで、ぜひ過去記事をご覧ください。
「子育ての極意」カテゴリでまとめて見ることができます。
③食卓を囲む
食事を家族で囲んで一緒に食べる。
意外かもしれませんが、これが子どもたちの存在への自信を高めます。
自尊心の話をする時に食卓を囲む話が出ないのが、不思議でしょうがないのであります。
僕は幼稚園勤務の傍ら、貧困家庭の子どもたちや、引きこもりやニートの青少年の支援をしてます。早いもので、携わって約10年になります。
そこには、虐待、暴力、盗み、クスリ、リストカットなどの自傷行為、一家離散、不登校、タバコ、ゲーム中毒、いろんな背景を抱えた子どもたちが来ます。
そんな子たちと週2日以上のペースで晩ご飯を食べながら話をする場を作っています。
みんなで食事をしていると、いろんな話になります。
「食事をしながら」
この簡単な要素が、子どもたちの口をとても滑らかにするようです。
食欲という生存に欠かせない強い欲求を満たすと、気持ちが安心します。
そうなると、本音が出やすくなります。また、場も和みやすい。
偉い方々が会食しながら重要な話や交渉ごとをするのも狙いは同じです。
話を戻して、青少年支援の現場。
ある日、いつものように子どもたちと食事を囲みながら話をしていると、その日初めてやってきた女の子がボソッとつぶやきました。
「団らんってやつ?本当にあるんだね。」
聞けば、家族で食事をしたことがないというその子。
誰かと会話し、笑いながら食事をするのが初めてだということでした。
その子は、その日から必ず顔を覗かせるようになりました。
そもそも、食事を与えてくれるということ自体が、存在を認めてもらう原点なのだと思います。
家族一緒に食事をとる。
食事をしながら会話する。
これが子どものために良いことはあちこちで言われてます。
ですが、「存在への自信につながる」という指摘はあまり見かけません。
大げさではなく、人にとってそれほど重要な環境の1つだと考えています。
こないだテレビ番組でとある専門家が、
「食事を無理に一緒にとる必要はない。」
「昔は農家で、忙しくて家族みんなで食事をする時間などなかったハズだから。」
と、語っていました。
どうも、最近の忙しい共働き子育て世帯に配慮しての意見のようです。
残念ながら「ホントのところ」ではありません。間違いです。
証拠写真もあります。
これらの写真は、「弘文堂 須藤功編 写真でみる日本生活図引4「すまう」」より引用させていただきました。
この本は、子育ての本ではありません。
当時の日本人の一般的な生活様式を記録した本です。
どの写真も、昭和20年~30年代のものです。
そして、どの写真もご覧の通り、孤食の「こ」の字もありません。
最近、耳障りと都合の良い話をする専門家が本当に多い。
たとえ都合が悪くても、「ホントのところ」を曲げてはいかんのです。
「ホントのところ」を押さえた上で、今の生活の中で無理のない方法を模索するしかないのです。
食卓を囲むのも毎日、毎回とは言いません。
食卓を囲む必要はないと理解している人と、食卓を囲みたいけど、なかなかその時間が取れないという人では、雲泥の差です。
行動レベルで大きな差となります。
メディアや、専門家の影響力は相当大きい。
EEEの概念がなければ、すぐにこの専門家の意見にも流されてしまうでしょう。
EEEについては、過去記事をお読みください。
この記事も超重要です。
というわけで、食卓を囲むことをEEEの観点から考察してみます。
人類の歴史でかなりの部分を占める狩猟採集時代。
狩猟した獲物は、みんなでシェアします。
一人じゃ食べきれませんし、保存するための冷蔵庫がある訳もなく、さらに、次はいつ食べられるか分からない。
自然とみんなでシェアするようになります。
その場でシェアし、一緒に食べる。
それが自然であり、長い間かけてヒトの遺伝子レベルに染み込んだEEEのはずです。
そもそも、現代においても、多くの民族が家族に限らず、大勢で一緒に食事をしています。
孤食は、先進国特有の「病」と言えるでしょう。
命を戴くことに感謝しながら、みんなでシェアする。自然と命や生への感謝や喜びを共有する。
それは同時に自己の存在への自信を確立するのに重要な環境だと言えます。
間違っても、「孤食で問題ない」と考えてはいけないのです。
それが「ホントのところ」です。
④誕生日を祝う
なんてったってこれです。
生まれた日を祝わずして、存在への自信もへったくれも無いっちゅー話です。
先ほどの青少年達の支援活動でも、それぞれの誕生日には、ケーキを必ず買います。
そして、みんなで歌を歌い、一緒にケーキを食べます。
中には
「こんなケーキ食えんし。」
とかって憎まれ口言いながら食べない子もいます。
が、こっちは毎年必ず買い続けます。
毎年変わらないのに、誕生日の週には欠かさずやって来ます。憎まれ口は、照れ隠し。そんなのはお見通しなのであります。
もちろん、ストレートに涙を流して喜ぶ子もいます。
大げさな話ではなく、存在を認められたという、大きな満足感と安心感なのです。
逆に言うと、存在への自信が無い不安定な子は、誕生日会やみんなでの食事を求めています。
ことばで表さなくても、表情や言動を見ていれば分かります。
これまでの体験上、間違いありません。
ここまでのまとめ
というわけで、今回は、
自尊心を高める子育てについて。
特に「存在への自信を高める方法」でした。
「ありのままの姿を認める」
ということは、存在そのものを認めるということ。
そのような根源的な肯定というのは、もはや言葉ではない、それ以前の要素が大きいと考えます。
いくら言葉で
「ありのままでいいんだよ。」
と言っても、そう簡単に心には届かないでしょう。
言葉よりも、姿勢、行動です。
やってナンボの世界。
かと言って、特別な出来事が必要なわけでもござんせん。
先に書いたように、日常生活の中でできることばかりです。
というわけで、
「能力への自信」については、次回の記事で。
本日も最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。
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